極早期緑内障のタイムドメイン光干渉断層計による網膜神経線維欠損の検出能 明らかな網膜神経線維層欠損がみられそれに対応する視神経乳頭変化を有するが、通常の視野検査では異常がみられない極早期緑内障26例26眼における網膜神経線維層欠損(NFLD)のタイムドメイン光干渉断層計(TD-OCT)による検出能を検討した。OCTのプリントアウトの網膜神経線維厚(RNFLT)の実測値に年齢別正常データのカラーコードを合わせたグラフを用いて、RNFLTが黄色の領域(p<5%)および赤色の領域(p<1%)を下回る範囲を求め、5%OCT-NFLDおよび1%OCT-NFLDとした。TSNITグラフの5%NFLD検出感度は眼毎およびNFLD毎ともに50%であった。1%NFLD検出能は眼毎では30.8%、NFLD毎では30%であった。5%NFLDの検出感度は、眼底写真NFLDの角度が20度以上の場合、100%だったが、10度以上20度未満の場合は29.4%で、10度未満の場合は0%であった。1%NFLDの検出感度は、20度以上の場合、90%だったが、20度未満の場合は0%であった。TD-OCTでは、角度の大きいNFLDは検出可能であるが、角度の小さいNFLDは検出できないことが明らかになった。 眼底対応小視標視野計による極早期緑内障の視野異常検出 我々が開発した眼底対応小視標の有用性を検討した。正常人60例60眼、原発開放隅角緑内障眼30例30眼、極早期緑内障眼38例38眼に、閾上閾値を用いた眼底対応小指標視野検査を施行し、反応しなかった点の数/刺激した点の数(negative response:NR)で評価した。NRは、正常眼(1.8±1.3%)、極早期緑内障眼(9.2±10.2%)、開放隅角緑内障眼(20.6±14.1%)の3群間で有意差がみられた。また開放隅角緑内障眼では、NRは視野のmean deviation値と有意に相関した。
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