研究課題
動物モデルを用いた視神経刺激による視神経、網膜への効果の検討昨年度に引き続き、作成した直径100μmの白金イリジウム電極を合併症なくラット視神経乳頭に刺入設置することができる確率を高めた。設置した電極を通じて、視神経乳頭から視神経線維を電気刺激し、刺激後、ある期間をおいて、採集されたサンプル眼を、固定した後、切片を作成、それらを用いて、抗IGF-1抗体による免疫染色を施行中である。また染色には、抗glutamine synthetase抗体も用いて2重蛍光免疫染色を施行中である。引き続き、免疫染色による組織内でのタンパクの増減、および、Western blotによる、全網膜内におけるタンパクの増減を測定し解析していく予定である。刺激電極に使用する素材の安全性の検討前年度から引き続き、慢性刺激にも通用する刺激電極のコーティング素材について検討した。従来、コーティング素材としてパリレンを用いていたが、今回は、テフロン素材について検討した。家兎眼硝子体内にテフロンコーティング白金イリジウム線を実際視神経刺激型人工視覚で硝子体内に留置する長さと同等の長さだけ留置し、6ヶ月を経てもなにも留置していない僚眼のERGと有意差がないことを示した。また、6ヶ月後、組織学的にも、何も留置していない僚眼と著明な相違がないことを示した。以上より、テフロンコーティング白金イリジウム線は、眼内において毒性がない、と考えられ、長期埋植用のコーティング素材として、テフロンも有用であると考えられた。テフロンはパリレンと比較して、眼内における操作が容易であり、細工も容易であることから、今後の人工視覚用電極開発において、当研究結果は大変重要と考えられた。
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