研究課題/領域番号 |
20592041
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
日下 俊次 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60260387)
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研究分担者 |
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362717)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
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キーワード | 未熟児網膜症 / 新生血管 / DNAアレイ / 薬物療法 / サイトカイン |
研究概要 |
未熟児網膜症における新生血管発現抑制に効果があると予想される物質として臨床で実際に頻用されている(1)トリアムシノロン(TA;ステロイド剤の薬効ランクでIV群:mild)、およびTAより強力で、TAと同様に懸濁液で徐放効果が期待できる(2)ジフルブレドナード(同II群:very strong)ついて検討を行った。対象はC57BL/6Nマウスを用いて、既報に順じて作成した未熟児網膜症モデルマウス(OIRマウス)で、OIRマウスが新生血管を発現する直前の生後12日目に腹腔内に両ステロイド剤((1)、(2))のいずれか、あるいは対照として生理食塩水を各群5匹に投与した。OIRマウスで新生血管発生がピークに達する生後17日目に眼球を摘出し、網膜伸展標本を作成し、新生血管の発現を検討した。その結果、新生血管の発現は(1)、(2)のステロイド剤投与群で対照に比し、著明に抑制されているのが確認できた。しかし、(1)、(2)のステロイド剤投与群では対照に比し、体重増加が約30%不良で、成長障害がみられた。ステロイド薬の投与は新生血管の抑制には有効であったが、今回の検討からは全身的な副作用が強いことが判明した。今後、ステロイド剤の眼局所投与(後部テノン嚢下)を行うこと、他のtenoodulinなどの新生血管抑制作用を持つ薬剤の効果について検討を進める予定である。
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