研究課題/領域番号 |
20592042
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
本田 茂 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60283892)
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研究分担者 |
石橋 一樹 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20324923)
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キーワード | 加齢黄斑変性症 / 遺伝子多型 / ポリープ状脈絡膜血管症 / 補体H因子 / ARMS2 / 補体I因子 / 光線力学療法 |
研究概要 |
1.狭義加齢黄斑変性症(AMD)139例、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)210例、および正常対照者189名についてDNAの抽出を行ない、遺伝子多型の解析を行った。 2.欧米のAMDに強く関連しているとされる補体H因子complement factor H (CFH)のY402H多型について、この一塩基多型(SNP)はアジア人におけるマイナーアレル頻度が非常に低いことから関連性の検出力に限界があったが、我々はアジア人AMDのマス解析を行い、その結果、Y402H多型がアジア人AMDの疾患感受性にも有意に相関することを明らかにした。 3.また、CFHY402H多型およびrsl410996多型がPCVに対する光線力学療法(PDT)の解剖学的改善効果に有意に影響を及ぼすことを明らかにした。特にrs1410996多型はPDT後の視力予後とも相関していた。 4.さらにCFHと並んでAMDの感受性遺伝子として注目されるARMS2遺伝子のrs10490924(A69S)多型が狭義AMDおよびPCVに対するPDT後の視力予後に有意に関連することを見出した。 5.上記以外に欧米のAMDとの関連性が報告されたCFI遺伝子におけるrs10033900多型が日本人AMDとの関連もあることを証明した。 6.日本人PCVの自然経過における視力予後、およびそれに関連する眼底所見を統計学的に解析した。この研究は、今後PCVに対するいかなる治療効果とも比較できる元になるデータをまとめるという重要なものと考える。
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