• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

角膜上皮創傷治癒過程における神経ガイダンス因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20592045
研究機関山口大学

研究代表者

高 知愛  山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70314797)

研究分担者 柳井 亮二  山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10346554)
キーワード再生医学 / 発達・分化 / 細胞・組織
研究概要

本研究は角膜上皮創傷治癒過程における神経ガイダンス因子であるSemaphorin3Aの機能解析を目的とし、まず、当年度は神経ガイダンス因子が角膜上皮細胞の分化過程をどの様に制御しているかを角膜上皮細胞、あるいは実質細胞を用いて培養細胞でのSemaphorin3Aの発現および機能解析を行った。
特に、角膜上皮創傷治癒過程での細胞同士が互いに及ぼす影響、その中でも上皮細胞から分泌される因子が実質細胞内のSemaphorin3Aの発現に及ぼす影響、さらに、角膜実質細胞でのSemaphorin3Aの発現をsiRNA-またはover-expression系を用いて、細胞内でSemaphorin3Aの発現を人工的に増加させ、その時の角膜上皮細胞内で起こる細胞分化に伴った蛋白質発現などをコラーゲン膜を用いた共培養系でRT-PCR, Western Blotによる手法で検討した。
その結果、角膜上皮細胞から分泌されるEpidermal Growth Factor (EGF)が角膜実質細胞内のSemaphorin3Aの発現に重要な働きをしていること、また、角膜実質細胞内のSemaphorin3Aの強発現により、角膜実質細胞から分泌されるSemaphorin3Aが角膜上皮細胞内のAdherent Junction蛋白質であるE-cadherin, N-cadherinの発現にもっとも重要であることが明らかになった。このことは、E-cadherin, N-cadherinが上皮細胞の分化にもっとも重要なkey factorであることから角膜でのSemaphorin3Aの局在の意義と角膜上皮細胞や実質細胞機能の調節にSemaphorin3Aが大きく関連していると考えられ、角膜細胞の恒常、機能に神経性因子の役割を解明するための大きな前進であることが示唆された結果である。さらに、in vivo実験系で動物モデルを使った実験でもwound healingの段階でSemaphorin 3Aの発現が増加していることが示唆され、神経ガイダンス因子であるSemaphorin3Aは角膜創傷治癒過程でもっとも重要な役割を果たしていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Down-Regulation of Matrix Metalloproteinase-2 in Corneal Fibroblasts by Interleukin-1 Receptor Antagonist Release from Corneal Epithelial Cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Ko J.-A.
    • 雑誌名

      Investigative Ophthalmology Visual Science

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of semaphorin3A and its receptors during mouse corneal devvelopment.2010

    • 著者名/発表者名
      Ko J.-A.
    • 雑誌名

      Biochemical Biophysical Research Communication

      巻: 403 ページ: 305-309

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of semaphorin3A overexpression in corneal fibroblasts on the expression of adherens-junction proteins in corneal epithelial cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Ko J.-A.
    • 雑誌名

      Biochemical Biophysical Research Communication

      巻: 396 ページ: 781-786

    • 査読あり
  • [学会発表] Neural cells promotes the stratification of corneal epithelial cells by coculture system.2010

    • 著者名/発表者名
      Ko J.-A
    • 学会等名
      The American Society for Cell Biology (50th)
    • 発表場所
      Philadelphia(Pennsylvania Convention Center)
    • 年月日
      2010-12-13

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi