研究概要 |
網膜色素変性症の患者に伴う病態として黄斑円孔の合併がある。四名の黄斑円孔を伴った色素変性症患者のERG、視野、眼底、Bスキャン、超音波所見、OCT所見をretrospectiveに検討した。その結果全員でOCTで全層円孔が認められた。全例で内境界膜剥離を伴う全層円孔手術を行った。三名で視力の向上をみた。一名では視力は不変であった。以上の結果から黄斑円孔手術は色素変性の患者においても必要な手術であることを報告した。(JinZB et al.Macular hole formation in patients with retinitis pigmentosa and prognosis of pars plana vitrectomy.Retina,2008,28,610-4) heterozygousな変異においてallelic copy number variationは機能異常に結びつく可能性がある。われわれはFSCN2変異をもつ患者と正常者においてこれを検討した。実験は三名のc.72delGの変異を持っ患者と、変異を持つ正常者および持たない正常者でallele copy数を検討した。その結果、三名の患者と三名の正常者では等しい数のcopy数が認められた。他の一名の患者では野生型alleleは変異型alleleの4倍のcopy数が認められた。さらにallele specific methylation分析を行ったところ、methylationはrandamに行われていることがわかった。その結果allelic copy number variationは色素変性症と合併しておらず、c.72delGは色素変性の主因であると考えることは出来ないと結論した。(Jin ZB et al.Allelic copy number variation in FSCN2 detected using allele-specific genotyping and multiplex real-time PCR.Invest Ophthalmol Vis Sci.2008,49:3799-805)
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