研究概要 |
複数の実際の摘出入眼網膜芽細胞腫のブロック収集後、パラフィン切片を作成し、免疫組織組織学的検討を行った。HE(ヘマトキシリン・エオジン染色)に加え、抗体は、Sonic hedgehog/Gliシグナル関連抗体(Sonic hedgehog, Smoothend, Patched, Gli-1)と増殖系グナルのマーカー(Rb、Erk-1)を用いた。Sonic hedgehog, Smoothend, Patched, Gli-1は、どれも腫瘍細胞内の随所で強発現していた。Rb、Brk-1についても同様の所見が観察された。 扁平上皮癌細胞と同様に網膜芽細胞腫においてもSonic hedgehog/Gliシグナル経路の活性化が腫瘍増大に関与することが示された。また、増殖系グナルのマーカーが強発現していたことで腫瘍特有の細胞増殖が示された。 網膜芽細胞腫培養細胞株(Y-79)を入手して、継体培養をおこなったのちに、MTTアッセイを用いてin vitroでのシクロパミンによる細胞増殖抑制の検討を行った。培養液にシクロパミンの添加群で、無添加群と比較して吸光度から増殖の抑制が証明された。現在、網膜芽細胞腫培養細胞株をヌードマウスに移植した細胞によるin vivo腫瘍モデルでの治療効果を確認中である。網膜芽細胞腫培養細胞株は浮遊細胞である為、遠沈して沈渣を眼内に投与しても、発育が難しい為に、皮下注においてこころみている。
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