研究概要 |
21年度はB10.D2(H-2d)マウスオスの骨髄細胞と脾臓細胞を、放射線照射後のBALB/c(H-2d)レシピエントマウスメスに移植し慢性GVHDモデルを作成した(Zhang Y, J Immunol.2002)。すでに涙腺、結膜、皮膚、肺、小腸、涙腺、唾液腺に人GVHD組織所見に酷似した経時的線維化の作成を確立し,毎回の移植において再現性を確認した。 マウスGVHD涙腺導管周囲およびGVHD標的臓器各臓器にに多数のCD45陽性炎症性細胞浸潤を確認した。 結膜排出導管周囲にコラーゲン産生細胞の指標のHSP47陽性線維芽細胞を検出し、同一部位にY-FISH signal陽性のドナー由来線維芽細胞を多数認めた。 日本炎症再生学会からmini reviewの依頼があり、これまでにヒト眼慢性GVHDの研究で報告した4本の論文について下記のように報告した。Ogawa Y. Shimmura S, Kuwana M, Yamazaki K, Kawakami Y, Tsubota K.Inflammation and pathogenic fibrosis in human ocular chronic graft versus host disease. Inflammation and regeneration28(6);533-540 2008. 本研究で用いるマウス涙腺結膜組織には、今までに申請者が報告してきたGVHD病変の過剰な線維化、炎症性細胞浸潤、ドナー由来線維芽細胞の存在とその活性化の4点においてその所見が酷似して再現されていることを確認した。繰り返した実験で安定した結果が得られることを確認した。
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