研究課題
1.糖尿病および糖尿病網膜症患者の血中および眼内の因子の臨床的検討1)同一患者で治療的手術時に採取できた眼内液のPEDF、VEGF濃度を測定し、血中PEDF,VEGF濃度および網膜症進行との関係を検討した。その結果、糖尿病患者では非糖尿病群に比べて血中VEGFが有為に高く、また眼内VEGFは網膜症の進行とともに上昇していることがわかった。さらに血中のPEDFも糖尿病群で有為に高く網膜症の進行とともに上昇していた。また前房水および硝子体内PEDFも上昇していることがわかった。2)腎機能と網膜症の程度、また血中PEDFとの関係を検討した。その結果、腎機能の悪化(BUN、クレアチニンの上昇)とともに網膜症が進行していた。また、BUN、クレアチニンと血中PEDFには有為な相関があった。糖尿病腎症も網膜症も糖尿病の血管障害の代表的合併症である。PEDFは血管障害に拮抗して上昇すると考えられており、血中PEDFは腎症も網膜症の指標となりえることがわかった。2.抗VEGF薬を使った治療の検討糖尿病網膜症の治療にVEGF抗体を使った抗VEGF治療が行われるようになってきている。しかしながら眼内に投与したVEGF抗体の動態は不明であった。眼内にVEGF抗体を投与後したのち、血中VEGF、PEDFを測定すると血中PEDFに有為な変化はないものの、血中VEGFは投与後1ヶ月まで有為に低下しており、眼内に投与しても全身への影響があることがわかった。
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