研究課題
1.ヒト線維柱帯培養細胞を用いて、副腎皮質ステロイド薬と線維柱帯細胞の骨格変化およびROCKとの関係について調べた。その結果、副腎皮質ステロイド薬によるF-アクチンを主体にした線維柱帯細胞の細胞骨格の変化は、ROCKを介していることが分かった。現在、さらに研究を進めている。2.ヒト線維柱帯培養細胞を用いて、DNA修復や寿命、老化に関与するヒストン脱アセチル化酵素sirt1と線維柱帯細胞の抗酸化作用との関係を分子生物学的に調べた。その結果、(1)ヒストン脱アセチル化酵素sirt1は、転写因子であるc-mycによって発現が制御されていること。(2)sirt1が、抗酸化ストレス作用を増強することで、線維柱帯細胞を酸化ストレスから防御する作用を有することが分かった。3.現在スタンダードに使用されているGoldmann圧平式眼圧計(GAT)、および角膜の状態に影響されないとされるDynamic Contour Tonometer (DCT)で、小切開白内障手術前後の眼圧を測定し、白内障手術が眼圧に与える影響を検討した。その結果、(1)小切開白内障手術後3日で角膜浮腫のためGATでは眼圧が過小評価されるが、術後7日以降では眼圧測定に影響を与えるような角膜の物理的変化はないこと。(2)小切開白内障手術後は眼圧が有意に下降することが分かった。4.硝子体手術を行った劇症型未熟児網膜症の緑内障発症の危険性について検討した。その結果、(1)劇症型未熟児網膜症では硝子体手術後に緑内障を発症しやすいこと。(2)出生後早期に硝子体手術を行うほど、緑内障発症の危険性が有意に増加することが分かった。
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