研究課題
ドライアイの病態解析や新しい治療法の開発のために、涙液成分の詳細な分析を行った。脂質の網羅的解析として、涙液試料をミクロ液体クロマトグラフィ(HPLC)とエレクトロンスプレー-質量分析計(ESI-MS)を組み合わせて分析を行った。HPLCとESI-MSをオンラインで接続した本分析法では数百種類以上の脂質成分を高感度に同定、定量することが可能であった。シェーグレン症候群患者涙液と正常者の涙液を比較したところ、シェーグレン症候群患者ではフォスファチジルコリンのC16:0、C18:1とC18:0、C18:2、及びスフィンゴミエリンが減少していることが示された。これらのリン脂質は涙液においてその安定性に寄与する分子であることが示唆された。従って、このPC分子が疾患マーカーもしくは新規治療法の標的になる可能性がある。また、コンタクトレンズ(CL)装用によるドライアイ患者の涙液を濾紙で採取し、涙液中の蛋白やサイトカインの測定を行った。CL非装用時と比較して、涙液の主要蛋白であるラクトフェリン、リポカリン、リゾチームには変化が見られなかったが、サイトカインのうちTNF-αとIL-1βの増加が見られ、特に装用感や乾燥感など自覚症状の程度と涙液中TNF-α濃度は正の相関を示した。TNF-αとIL-1βは代表的な炎症性サイトカインであり、CL装用によるドライアイの発症に炎症が関与していることが示唆された。
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