研究課題/領域番号 |
20592074
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
米今 敬一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40362256)
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研究分担者 |
近藤 峰生 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80303642)
寺崎 浩子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS) / 網膜色素上皮細胞 / トランスジェニックマウス / 酸化・ニトロ化ストレス / VMD2プロモーター / 加齢黄斑変性 / 網膜色素変性症 |
研究概要 |
本研究は、長期間の持続的酸化・ニトロ化ストレス負荷が網膜にどのような変化をもたらすのかをin vivoで明らかにするために、網膜特異的に構成的活性型の一酸化窒素合成酵素(NOS)である誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)を過剰発現させたマウス(iNOSトランスジェニックマウス)を作成し、過剰な一酸化窒素(NO)を網膜内で発生させて網膜の機能的・形態的変化を明らかにするものである。平成20年度においては、当初の計画通りヒトVMD2プロモーターとヒト誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)のDNAコンストラクトを作成し、それらを連結した後、iNOS DNAの3'末端にpoly Aを付加して発現ベクターに組み込み、これを用いてiNOSを網膜色素上皮細胞特異的に発現するiNOSトランスジェニックマウスを作成した。結果的に5系統のiNOSトランスジェニックマウスが作成され、現在各系統のマウスの網膜におけるiNOSの発現量を定量的リアルタイムRT-PCR及び抗iNOS抗体を用いたウェスタンブロット法で定量中である。それと同時に、その発現型を眼底検査、網膜電図、網膜の凍結切片を用いて解析中である。研究代表者は、このiNOSトランスジェニックマウスが酸化・ニトロ化ストレスによって何らかの形で機能的・形態的に網膜変性を起こすものと考えている。網膜色素上皮に過剰に発生したNOは同様の機序でヒト加齢性黄斑変性症に見られるような視細胞変性、網膜色素上皮萎縮、あるいはBruch膜を攻撃して新生血管を誘導するかもしれない。網膜に対する持続的な長期にわたるNO負荷の影響を調査する上で、このプロジェクトは非常に大きな意義のあるものであると考えられる。
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