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2008 年度 実績報告書

角膜ヘルペス治療における分子標的の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20592076
研究機関鳥取大学

研究代表者

井上 幸次  鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)

研究分担者 宮崎 大  鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
池田 欣史  鳥取大学, 医学部, 助教 (10444639)
キーワード角膜ヘルペス / マイクロアレイ / 角膜上皮 / MAP kinase / IL-6 / VEGF
研究概要

目的:単純ヘルペスウイルス(HSV)の角膜上皮への感染は、上皮型ヘルペスの発症を引き起こすが、その後さらに、実質型角膜炎のトリガーとなる。本年は、角膜上皮をターゲットに定めて、ヒト角膜上皮のHSV感染に対する分子応答と、感染制御や角膜炎症における役割を包括的にとらえるためにマイクロアレイを用いた検索をおこなった。方法:不死化ヒト角膜上皮細胞(HCE)にHSV1型KOS株を感染させ、経時的にRNAを採取した。対象には、非感染細胞及びUV不活化HSV感染HCEを用いた。採取したRNAを用いて、Agilent社のGeneSpring GX7.3.1を用いて包括的トランスクリプトーム解析を行った。結果:分散分析において有意な変動(P<0.05)を示し、かつ2倍以上発現が変動あるいは減少を示した遺伝子は、412個であった。次にこれらの遺伝子群を用いてKyoto Encyclopedia of Genes and Genomesを用いてシグナル伝達経路との関連を検討した。多くの遺伝子が関連づけられた経路として、MAP kinase,細胞接着、サイトカインシグナル、細胞周期、renal cell carcinoma,VEGFシグナルがあげられた。またUV不活化HSV感染では、大きな遺伝子変動は認められなかった。更にlngenuity pathway analysisを用いて解析すると、シグナル伝達の中心となっているのはIL-6とVEGFであると考えられた。結論:角膜上皮へのHSV感染は、MAP kinase経路を中心とした多様なシグナル経路を活性化させており、IL-6とVEGFがその中心となっていた。角膜ヘルペスの実質型で問題となる新生血管産生に関与するVEGFが、上皮への感染ですでに重要な因子として産生されていることは特に注目に値する結果である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Clinical application of real-time polymerase chain reaction for diagnosis of herpetic diseases of the anterior segment of the eye2008

    • 著者名/発表者名
      Kakimnaru-Hasegawa A
    • 雑誌名

      Jpn J Ophthalmol 52

      ページ: 24-31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Case of bilateral multiple herpetic epithelial keratitis manifested as dendriform epithelial edema during primary Kaposi's varicelliform eruption.2008

    • 著者名/発表者名
      Higaki S
    • 雑誌名

      Jpn J Ophthalmol 52

      ページ: 127-129

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pathogenesis of herpetic stromal keratitis in CCR5- and/or CXCR3-deficient mice2008

    • 著者名/発表者名
      Komatsu K
    • 雑誌名

      Curr Eye Res 33

      ページ: 739-746

    • 査読あり
  • [学会発表] 単純ヘルペスウイルス感染により誘導されるヒト角膜上皮細胞のトランスクリプトーム2008

    • 著者名/発表者名
      寺坂祐樹
    • 学会等名
      第23回ヘルペスウイルス研究会
    • 発表場所
      鳥取県西伯郡伯耆町
    • 年月日
      20080605-20080607

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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