研究概要 |
そもそも正常眼はある程度の眼炎症を抑える自浄能力を備える。ゆえに眼は免疫炎症反応が起きにくい「免疫学的に特別な臓器(immune privileged site)」といわれてきた。眼が本来持つ自浄機構を回復させることで、副作用のない新たな免疫療法を実現できる可能性がある。自然免疫細胞群が眼の恒常性維持に不可欠な存在であることが認知されつつある(Sonoda KH et al., JEM 1999, JW Streilein, Nat Rev Immunol., 2003)。眼内に浸潤した自然免疫細胞群を適切にコントロールすることで、一度過剰炎症・組織破壊に傾いた流れを、もとの炎症抑制型に戻すことができる可能性がある。 具体的には申請期間の3年間に以下の3点を明らかにする (1) マウスを用いた網膜下瘢痕化モデルにおいて、マクロファージ(および他の局所自然免疫細胞群)とRPEが病態に関与するメカニズムを明確にする。 (2) 瘢痕化に関与する起炎症因子のスクリーニングを行い、主な炎症因子・経路を明らかにする。 (3) 黄斑部瘢痕化の具体的な抑制法を提案する。
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