胆道閉鎖症の成因におけるmaternal microchimerismの関連

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20592089
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 小児外科学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 林田 真 九州大学, 医学研究院, 助教 (70452761)
• 研究分担者: 田口 智章 九州大学, 医学研究院, 教授 (20197247) ; 松浦 俊治 九州大学, 大学病院, 助教 (10532856)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 胆道閉鎖症 / 成因 / マイクロキメリズム

研究概要

胆道閉鎖症は現在においても解決すべき問題が多く残された疾患であり、病因として様々な仮説が提唱されてきたが、いずれも胆道閉鎖症の発生を十分に説明するにはいたっていないのが現状である。GVHDと胆道閉鎖症との類似性より、母体より移入した母親由来の細胞がGVHD様反応を引き起こし、形成されていた胆管を傷害し胆管が閉鎖するということを仮説とし、児の肝における母親由来の細胞(maternal micrichimerism)を検索する。胆道閉鎖症の成因とmaternal microchimerismの関連を検討するため、胆道閉鎖症初回手術時に得られる肝生検標本と肝門部肝管・胆嚢・総胆管標本を使用しmicrochimerismの証明を行った。パラフィン包埋肝生検標本を用いFluorescent in situ hybridization(FISH)を用いたchimera細胞の検出を確立し、新規胆道閉鎖症症例の標本保存とスライド作成を行いFISHにてmicrochimerismの検索し、コントロールに比べ高頻度で存在することを証明した。また、自治医科大学にいては生体肝移植症例(胆道閉鎖症、非胆道閉鎖症)約50例の摘出肝標本の収集と標本作製を行った。

研究成果

• [雑誌論文] Association of lymphocyte crossmatch and the outcome of intestinal transplantation in swine Pediatric Surgery International. (2011)
  • 著者名/発表者名: 林田真, 松浦俊治, 佐伯勇, 田口智章, 他8名
  • 雑誌名: Pediatr Surg Int 27(3) ページ: 279-281
  • 査読あり
• [雑誌論文] The risk factors of persistent thrombocytopenia and splenomegaly after liver transplantation. (2010)
  • 著者名/発表者名: 松浦俊治, 林田真, 佐伯勇, 田口智章
  • 雑誌名: Pediatr Surg Int. 26(10) ページ: 1007-1010
  • 査読あり
• [雑誌論文] Strategy to prevent recurrent portal vein stenosis following interventional radiology in pediatric liver transplantation. (2010)
  • 著者名/発表者名: Sanada Y, Kawano Y, Mizuta K, Egami S, Hayashida M, 他7名
  • 雑誌名: Liver Transpl. 16(3) ページ: 332-339
  • 査読あり
• [雑誌論文] Surgical complication after living donor liver transplantation in patients with biliary atresia : a relatively high incidence of portal vein complications. (2009)
  • 著者名/発表者名: Takahashi Y, Nishimoto Y, Matsuura T,Hayashida M, Tajiri T, Soejima Y, Taketomi A, Maehara Y, Taguchi T
  • 雑誌名: Pediatr Surg Int 25(9) ページ: 745-751
  • 査読あり
• [雑誌論文] Living donor liver transplantation for congenital absence of the portal vein (2009)
  • 著者名/発表者名: Sanada Y, Mizuta K, Kawano Y, Egami S, Hayashida M, 他10名
  • 雑誌名: Transplant Proc 41(10) ページ: 4214-4219
  • 査読あり
• [雑誌論文] Paralysis in the left phrenic nerve after living-donor liver transplantation for biliary atresia with situs inversus (2008)
  • 著者名/発表者名: Sanada Y, Mizuta K, Kawano Y, Egami S, Hayashida M, Hishikawa S, Kawarasaki H
  • 雑誌名: Liver Transplantation 14巻 ページ: 1659-1663
  • 査読あり
• [雑誌論文] 【胆道閉鎖症 診断・治療・研究の最先端】胆道閉鎖症におけるmicrochimerism (2008)
  • 著者名/発表者名: 林田真、西本祐子、高橋由紀子、佐伯勇、田口智章
  • 雑誌名: 小児外科 40巻 ページ: 50-55
  • 査読あり
• [雑誌論文] The evidence of maternal microchimerism in biliary atresia using fluorescent in situ hybridization (2007)
  • 著者名/発表者名: 林田真, 西本祐子, 松浦俊治, 高橋由紀子, 田口智章, 他2名
  • 雑誌名: J Pediatr Surg. 42巻 ページ: 2097-2101
  • 査読あり
• [雑誌論文] 生体肝移植後、診断および治療に難渋した小腸型PTLDの一小児例
  • 著者名/発表者名: 林田真、荻田桂子、松浦俊治、高橋由紀子、西本祐子、副島雄二、武富紹信、前原喜彦、田口智章
  • 雑誌名: 臨床と研究
• [雑誌論文] 小児生体肝移植術後にreversible posterior leukoencephalopathysyndrome (RPLS)を発症した三例
  • 著者名/発表者名: 林田真、松浦俊治、水田耕一、佐伯勇、田口智章, 他8名
  • 雑誌名: 臨床と研究
• [学会発表] 胆道閉鎖症術後における肺血流異常の検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第37回日本胆道閉鎖症研究会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20101210-20101211
• [学会発表] 重症心身障害児に対する小児外科の関わり～当院にて手術を行った重症心身障害児の検討～ (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第26回小児外科秋季シンポジウム
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20101121-20101123
• [学会発表] 当院における小児劇症肝不全/急性肝不全症例の検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第46回日本移植学会総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20101020-20101022
• [学会発表] 原発性硬化性胆管炎と自己免疫肝炎のoverlap syndromeの一小児例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第37回日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 発表場所: 高松
  • 年月日: 20101009-20101010
• [学会発表] 肝移植に至らなかった新生児ヘモクロマトーシスの一例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第37回日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 発表場所: 高松
  • 年月日: 20101009-20101010
• [学会発表] Association of lymphocyte crossmatch and outcome of intestinal transcription in swine (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: XXIII International Symposium on Paediatric Surgical Research
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20100912-20100914
• [学会発表] 当科における短腸症候群管理のstrategy (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第22回日本小腸移植研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20100305-20100306
• [学会発表] 小児肝移植後長期経過例の問題点 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第110回日本外科学会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2010-04-08
• [学会発表] 小児生体肝移植術後にreversible posterior leukoencephalopathy syndrome (RPLS)を発症した三例 (2009)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第27回日本肝移植研究会
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 20090710-20100711
• [学会発表] 胆道閉鎖症年長児例における生体肝移植-術中、術後およびドナー因子に関する検討- (2009)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第46回日本小児外科学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20090601-20090603
• [学会発表] The prevalence and clinical significance of autoantibodies following living donor liver transplantation in children (2009)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: PAPS
  • 発表場所: 香港
  • 年月日: 20090510-20090514
• [学会発表] 成人胆道閉鎖症症例に対する生体肝移植の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第36回日本胆道閉鎖症研究会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-12-12
• [学会発表] 小児生体肝移植後、自己抗体の変動に関する検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第44回日本肝移植学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20080919-20080921
• [学会発表] 胆道閉鎖症におけるmaternal microchimerismの関連 (2008)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第108回日本外科学会
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 20080515-20080517
• [学会発表] The evidence of maternal microchimerism in biliary atresia using fluorescent in situ hybridization (2008)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: FISPM
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2008-09-06
• [学会発表] 胆道閉鎖症術後における肺血流異常と移植至適時期 (2008)
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第7回自治医科大学シンポジウム
  • 発表場所: 栃木
  • 年月日: 2008-08-30
• [学会発表] 小児非自己免疫性肝疾患に対する生体肝移植後の慢性肝炎に対する治療
  • 著者名/発表者名: 林田真
  • 学会等名: 第45回日本小児外科学会
  • 発表場所: 筑波
  • 年月日: 00000528-00000530
• [図書] 小児肝移植マニュアル(3.レシピエントB)術前管理 術前検査・準備 p 45-46E)術後管理 術後抗凝固療法 p 123F) 術後合併症 De-novo 自己免疫性肝炎p166-167F)術後合併症 神経合併症 p 175-176H)外来管理移植ドック p 223-224)
  • 出版者: 日本医学館
• [備考] ホームページ等