研究課題/領域番号 |
20592091
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
下島 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30317151)
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研究分担者 |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
芝田 晋介 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70407089)
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キーワード | 小児外科 / 再生医療 / ヒルシュスプルング病 / 神経堤 / 幹細胞移植 |
研究概要 |
本研究はヒルシュスプルング病および類縁疾患の病因、病態を明らかにし、神経堤幹細胞移植の可能性を検討することを目標に3年間の研究を行ってきた。最終年度の成果をマウスとヒトに分けて概説する。 1.マウス:2年目までで得られたデータ(マウス胎児腸管より分離培養した神経堤幹細胞を含む細胞塊をヒルシュスプルング病モデルマウスであるRetノックアウトマウスに移植し、細胞の移動、生着、神経への分化の様子を観察)を論文化し、現在投稿準備中である。 2.ヒト:平成22年度は、4例のヒルシュスプルング病と、1例のヒルシュスプルング病類縁疾患、および4例の正常腸管をサンプルとしてヒト腸管からのsphere形成を試みた。ヒルシュスプルング病の腸管1サンプルにおいて、正常部と無神経節部から得た両方のsphereにおいて、共に神経への分化を確認した。これまでは、無神経節腸管から得られたsphereにおいては、神経への分化が認められなかったことから、症例によって結果が異なることが確認され、その理由として各症例における病気の成因が異なる可能性が示唆された。現在、それらのヒルシュスプルング病症例において、RetおよびGdnfのヒルシュスプルング病関連遺伝子に変異を認めるかの解析を進めている。 またヒルシュスプルング病類縁疾患についても、疾患の形成に関与する原因遺伝子を探索する目的で4症例と1症例の両親の血液から次世代シーケンサーを用いての網羅的遺伝子解析を行い、遺伝子レベルでの異常を調べ、ヒルシュスプルング病と同一の分子が関与しているのか、全く異なった分子が関与しているのかを調べている。
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