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2008 年度 実績報告書

腸管機能障害で惹起される中心静脈栄養関連肝障害の肝細胞周期制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20592094
研究機関大阪大学

研究代表者

田附 裕子  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10397698)

研究分担者 奥山 宏臣  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252670)
キーワード腸管機能障害 / 肝細胞 / 中心静脈栄養
研究概要

平成20年度においては、機能性消化管障害で惹起される中心静脈栄養(TPN)関連肝機能障害の肝細胞周期への影響に注目し、またかかる肝細胞周期の変化に伴う細胞増殖調節因子の発現の変化に注目し研究を行った。
体重200g前後のWister系雄性ラットを用い、以下の4群に分類した。Contro1群:標準ラット飼料自由摂取および中心静脈ルートより生理食塩水を投与した群、FGID群:腸管大量切除後に標準ラット飼料自由摂取および中心静脈ルートより生理食塩水を投与した群、TPN群:中心静脈ルートより標準高カロリー輸液を投与した群、TPN+FGID群:腸管大量切除後に中心静脈ルートより標準高カロリー輸液を投与した群。
結果、中心静脈栄養により惹起された肝障害は、腸管機能障害モデルで有意に発現することが示唆された。かかるモデルの障害肝では有意にapoptosisの増加を認めた。そこで肝細胞周期制御にかかわる因子を検索すると、チェックポイント制御関連遺伝子の発現に変化を認めた。また、同モデルにおいては細胞増殖調整因子(PPARs)の発現も変化し、そのアゴニストの投与(チアゾリジン誘導体)を行うと、その肝障害が改善する可能性が示唆された。腸管機能不全の患者が中心静脈栄養から離脱するための究極の治療である小腸移植患者の生存率はいまだに低い。今年度の研究結果により、かかる患者の生命の維持において必須のものである長期中心静脈栄養の合併症としての肝機能障害を、分子生物学的にコントロールできる可能性がある。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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