研究概要 |
本研究の目的は皮弁手術などの後に生じる一過性虚血後の脱毛について,そのメカニズムを解明することである. 昨年度までの研究では脂肪層の毛包細胞と真皮内の毛包細胞では虚血耐性が異なる可能性が明らかとなった。今年度は形態的に同一の毛包細胞でありながら,真皮内毛包細胞と脂肪層毛包細胞で耐性に違いが生じるメカニズムを明らかにするため、小胞体ストレスに着目した。不良タンパクが蓄積し、小胞体にストレスがかかると発現するといわれているxbp-1、GRP78などのタンパクの確認を免疫染色で、定量をウェスタンブロッティングで行った。 小胞体ストレスがかかると発現するGRP78は真皮内毛包では常に発現しているのに対し、脂肪層毛包では一時的に上昇し、その後減少していることがわかった。これによりGRP78が虚血耐性にかかわっている可能性が示唆された。 次年度では耐性の違いを生じるタンパクをさらに模索していきたい。
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