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2009 年度 実績報告書

脈管奇形病変における血管とリンパ管の客観的識別及びその3次元構造の解明と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 20592098
研究機関神戸大学

研究代表者

一瀬 晃洋  神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (90362780)

研究分担者 田原 真也  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (60207206)
石川 由起雄  東邦大学, 医学部, 准教授 (30276894)
キーワード脈管奇形 / 血管内皮細胞 / リンパ管内皮細胞 / LYVE-1抗体
研究概要

脈管奇形の標本に対し、実験計画に基づいた病理学的検索を行い、臨床像および硬化療法の効果との関係について検討を行った。病的脈管の病理学検索に成功した症例は現在29例であった。病理学的検索は、LYVE-1抗体を主体とした脈管識別マーカーによる免疫組織化学による方法を用いて病変を構成する動脈・静脈・毛細血管・リンパ管の組織構築の解析を行った。連続切片を作製し、次の3種の染色をそれぞれ等間隔で施行した。(1)静脈組織を客観的に把握するために、HE染色、(2)リンパ管の特定のために、LYVE-1抗体を用いた免疫染色、(3)リンパ管と他の脈管組織との判別のために、von Willebrand factor抗体(DakoCytomation)を用いた免疫染色。その結果、臨床診断が同じものでも違う染色特性を示す病変の存在が明らかになった。病理学的検討をさらに進める必要性が生じたために、研究計画を変更し、(5)GLUT1(6)D2-40の免疫染色を追加して実施した。その結果、臨床診断と病理診断の解離が鮮明になった。現在いくつかの血管・リンパ管内皮細胞のマーカーが知られているが、その血管・リンパ管の染色特性は異なる。血管とリンパ管内皮細胞は完全に2つに分類されるのではなく、幹細胞からの分化の違いにより染色性が異なるためである。本研究の得られた知見は、臨床診断が同じ脈管奇形でも、実際は起源が異なる可能性があることを示唆するものである。研究を進める中で、脈管奇形の病理学的検討がこれまで十分行われてないことが確認され、本研究の目的の一つである病変の起源と発生機構を解明するためには、病理学的検討をさらに深める必要性があることが明らかになった。現在症例を増やして、さらに内皮細胞のみでなく血管を構成する様々な細胞の検討を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 【血管奇形の治療戦略】硬化療法の手技 合併症の予防2009

    • 著者名/発表者名
      田原真也, (5番目)
    • 雑誌名

      形成外科 52巻10号

      ページ: 1173-1182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 血管奇形の画像診断

    • 著者名/発表者名
      田原真也, (2番目)
    • 雑誌名

      形成外科 (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 手の静脈奇形に対する硬化療法2009

    • 著者名/発表者名
      田原真也, (7番目)
    • 学会等名
      第52回日本形成外科学会総会・学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2009-04-22
  • [学会発表] 手に発生した静脈奇形に対する硬化療法2009

    • 著者名/発表者名
      田原真也, (5番目)
    • 学会等名
      第52回日本手の外科学会学術集会
    • 発表場所
      慶応プラザホテル(東京都)
    • 年月日
      2009-04-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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