研究課題/領域番号 |
20592108
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
田中 一郎 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (10171737)
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研究分担者 |
南谷 晴之 千歳科学技術大学, 総合光科学部, 教授 (70051779)
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キーワード | 顔面表情運動解析 / 診断・治療支援システム / コンピュータ解析 / 顔面神経麻痺 / オプティカルフロー / ビデオ撮影画像 / 定量的評価法 / 3次元的表情解析 |
研究概要 |
1. 治療・手術支援システムの改良とシステム実験 (1) より高い精度と再現性を目指した撮影方法の改良:鏡利用の3次元撮影装置・頭部固定装置の検証を行い、また表情撮影法の検討として被験者への撮影表情指導のビデオ作成を進めた。(2)解析ソフトの改良:昨年のソフト改良にて、特定領域の平均移動量を求める領域設定法をより実際的なものに変更したが、その検証を行なった。また、現行の日本語より全英語表示へのシステム表示法の改良を進めた。(3)開発した3次元表情運動解析のアルゴリズムのシステム実装の検討と、移動量測定のキャリブレーション機能の検証を進めた。(4)撮影時の体動による測定誤差対策として、解析ソフトでの体動移動量の処理法を検討した。(5)鏡利用以外の3次元撮影法の開発として、3台のビデオカメラによる3次元撮影法と、その3次元表情運動解析のアルゴリズムの検討を進めた。(6)違なる手法でビデオ画像からのコンピュータ解析による表情解析を行なっているウイーン大のシステムと、実際の臨床使用に優れる我々のシステムとの統合につき検討した。 2. 治療・手術支援システムの臨床応用と評価 顔面神経麻痺の保存治療や再建手術(神経移植などによる神経再建、筋移植などによる動的再建)、顔面神経麻痺による病的共同運動や眼瞼痙攣に対するやボツリヌストキシン治療の患者を対象として、治療や手術前後に各種表情運動のビデオ撮影を新3次元撮影装置・頭部固定装置も利用して計30名に行なった。これらのビデオ撮影データをシステムにより表情運動解析し、解析結果の臨床的意味付けおよびこれに基づいた手術・治療計画の検討や治療評価を行った。また、顔面運動障害の自覚症状の改善度、機能的検討(兎眼の程度、食事のもれ・会話などでの口唇機能)、および柳原法・HB法による評価と解析結果を比較・検討し、開発したシステムの有効性につき検討した。神経血管柄つき筋移植例については筋電図(誘発電位や干渉波形)検査を行い、筋電図波形から計算された運動量とシステム解析による運動量の比較検討を行なった。
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