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2010 年度 実績報告書

中枢神経再生療法の新戦略としての体性幹細胞の可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 20592109
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

井上 肇  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (60193603)

研究分担者 武永 美津子  聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10236490)
富岡 みゆき  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (90398967)
キーワード再生医学
研究概要

研究の目的:本研究は、既に有効性が示され特許申請中の上皮幹細胞利用による脊髄神経再生技術を確立し、特に移植後の長期経過観察を行う事でその運動機能改善作用の継続性、表皮幹細胞適用の安全性(すなわち副作用の危険性)について3年程度をめどに証明する事である。並行して、交通外傷等を原因とし脊髄損傷を来した愛玩動物に対し(主にイヌ)、獣医師の協力の下に、表皮幹細胞移植治療を試み基礎データを積み上げ、最終ステップとなるヒト臨床応用へとつなげる。
研究の計画:評価法:長期経過観察においては行動観察を基本とする。BBB判定法を用いて、移植後3週間迄はほぼ毎日、以降6週間迄は一週間に一回、以降通常飼育に切り替え、2~3年程度経過を観察する。また、必要に応じてトレッドミルによる運動機能解析を併用する。
研究の成果:脊髄損傷によって喪失した運動機能は、ヒト表皮幹細胞の移植一週間後より、対照群に比べ有意に改善し、観察期間の6週間後に於いても、すべての観察期間で有意に運動機能回復が認められた。BBB判定を終了後、自然飼育して、本研究に与えられた術後の2年間経過観察を行った結果、表皮幹細胞移植ラットは、運動機能改善の維持と直腸膀胱障害の改善が認められた。その結果。その結果対照群は、膀胱直腸障害に由来すると思われるイレウス、泌尿器系障害の併発と考えられる全身症状の悪化が全例に認められ、安楽死もしくは自然死をしたにもかかわらず、表皮幹細胞移植群では、このような症状を認める事無く生存した。しかしながら、6週間以降の運動機能の改善は緩やかであり、BBB正常値21にまでは到達しなかった。しかしながら、上皮系の幹細胞移植による効果は、ヒトに外挿すれば、車いす生活を余儀なくされていた患者が杖での自立歩行に迄改善したことを意味する。これらの成果をもとに、獣医師との連携で外傷性の脊髄損傷中動物への自家培養上皮幹細胞移植を行うべく、準備に入った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 末梢組織細胞を用いた現実的再生医療とその治療戦略-幹細胞様細胞から多血小板血漿まで-2010

    • 著者名/発表者名
      井上肇, 他
    • 雑誌名

      聖マリアンナ医科大学雑誌

      巻: 38・2,3 ページ: 175-182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヨード強化卵長期摂取がインスリン分泌指数へ及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      井上肇, 他
    • 雑誌名

      New Food Industry

      巻: 52・9 ページ: 21-26

    • 査読あり
  • [学会発表] 再生医療の実用化に向けた新規アプローチ-気管再生を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      井上肇
    • 学会等名
      六医科大学合同 新技術説明会
    • 発表場所
      東京(JSTホール)
    • 年月日
      2010-12-09

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公開日: 2012-07-19  

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