研究概要 |
1. β3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒトケラチノサイトを作製した. レトロウイルスベクター法によりβ3インテグリン・サブユニットcDNAを正常ヒトケラチノサイトに導入した.具体的には,高力価β3-組み換えレトロウイルスのproducer cells(米国ですでにクローニングをし,凍結保存してある)を培養し,その上清中のβ3-組み換えレトロウイルスを正常ヒトケラチノサイト(Cascade社)に感染させた.培地はEpiLife+growth factor(Cascade社)を用いた.Subconfluentの状態で同ケラチノサイトを凍結保存した.凍結保存したケラチノサイトを培養して,αvβ3の蛋白発現を蛍光抗体法ならびにFACSにより確認した後,cell sortingによりαvβ3発現陽性細胞のenrichmentを行った.そしてそれらをさらに増殖させた後,再び凍結保存した.平均84%のαvβ3発現陽性率を得た.コントロール細胞として,同様方法によりβ-galactosidase cDNA導入ヒトケラチノサイトを作製した. 2. I型コラーゲン膜を使用してβ3インテグリン組み換え型培養表皮を作製した. 市販のI型コラーゲン膜上でβ3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒトケラチノサイト(コントロール細胞として,β-galactosidase cDNA導入ヒトケラチノサイトを用いた)を培養して培養表皮を作製した.I型コラーゲン膜として,豚由来コラーゲン膜(ペルナック^<[○!R]>)と細胞培養用透過性コラーゲン膜(AteloCell^<[○!R]>)とを比較した.その結果,AteloCell^<[○!R]>のほうが正確な細胞数を使用でき,均一な培養表皮を作製することができた.
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