研究概要 |
われわれはβ3インテグリン組み換え型培養表皮の有効性を動物実験により検証した.β3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトをレトロウイルスベクター法により作製した.Cell sortingによりβ3陽性細胞を増加させ(89%),フィブリンゲル上で5日間培養して培養表皮を作製した.ヌードマウスの創傷治癒遅延モデル(マイトマイシンC外用により作製)での全層皮膚欠損創に同培養表皮を移植し(コントロール培養表皮:β-galactosidase cDNA導入ヒトケラチノサイトを使用),経時的(1,2,3週)に組織学的検査を行った.その結果,β3インテグリン組み換え型培養表皮は,1~3週のすべての時期においてコントロール培養表皮に比べて軽度から中等度に生着率が増加した.同培養表皮のin vivoでの有効性を結論づけるために今後さらに実験条件を改善して検討する予定である.
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