研究概要 |
炎症時における血管内皮細胞内HSP70を介したactin baseによる血管内皮細胞細胞骨格変化を中心とした細胞内シグナルの実験(担当 : 齋藤、南谷, 小川) 急性肺障害(acute lung injury : ALI)の病態の一つに肺毛細血管透過性亢進が知られており, その制御は治療に直結するため様々な研究が行われている, 我々は肺毛細血管透過性の制御に関しnegative regulatorとしての血管内皮細胞内vasodilator-stimulated phosphoprotein(VASP)のリン酸化に注目している. さらに一方の研究でheat shock protein(HSP)70にも血管透過性を抑制する抗炎症作用を有するpreliminary dataを有しており, 当該研究期間ではHSP70の抗炎症作用に関して, 以下の成果を得た. HUVEC培養細胞急性炎症モデルを用い, Rhodamine-Phalloidin染色で血管内皮細胞のF-actin分布を確認し, 炎症に伴いstress fiberが増加する事を確認した. またFluorescence plate readerによるF-actin定量とwestem blottingによるHSP70発現を検討した結果, 急性炎症時におけるHSP70発現増強に逆相関して, 血管内皮細胞内F-actin低下およびstress fiberが減少するという結果を得た.以上から, 細胞内HSP70発現増加に伴いいったん増加したF-actin量がそのpeakから低下してきている事が判明した. 上記結果に基づき, 次年度はHSP70誘導とVASPリン酸化における血管内皮細胞透過性のメカニズム解明を目的とする.
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