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2009 年度 実績報告書

脳損傷時における脂質代謝酵素の発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 20592116
研究機関山形大学

研究代表者

川前 金幸  山形大学, 医学部, 教授 (70254026)

研究分担者 後藤 薫  山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
伊関 憲  山形大学, 医学部, 准教授 (70332921)
キーワード脳損傷 / グリア細胞 / 神経細胞 / 脂質代謝酵素 / 核
研究概要

ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)はプロテインキナーゼC(PKC)の生理的活性化因子であるDGのリン酸化酵素であり、DGの代謝を介してPKC活性を制御すると考えられている。我々はこれまでに、正常ではニューロンに発現するDGKzetaがラット脳虚血モデルの梗塞壊死領域においては貪食細胞に発現することを見出した。脳損傷後に形成される瘢痕組織にはミクログリア/マクロファージ、アストロサイト、新生血管など多様な細胞が含まれ、その相互作用によって組織の修復が行われる。本研究ではこの領域のグリア細胞におけるDGKzetaの発現を検討した。
液体窒素で冷却した鉛をラット脳に押し当てることにより大脳皮質に瘢痕組織の形成を誘導した。DGKζ抗体による免疫染色の結果、虚血モデルの梗塞壊死領域と同様、瘢痕領域にも免疫陽性細胞が検出され、この細胞はミクログリア/マクロファージのマーカーであるIbal抗体と共陽性を示した。この細胞はさらに、活性化型貪食細胞のマーカーである抗ED1抗体にも陽性反応を示すことから、瘢痕領域のDGKζ陽性細胞は活性化型の細胞であることが明らかとなった。また、非活性化型ミクログリアにはDGKζ免疫陽性反応は認められなかった。一方、DGにより活性化されるcPKC(PKCα,-βII,-γ)の発現様式を免疫組織化学的に解析した結果、瘢痕組織にはPKCα陽性細胞のみが検出された。この細胞はミクグリア/マクロファージのマーカー抗体とは反応せず、GFAP抗体と共陽性反応を示すことから、アストロサイトであると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Brain trauma induces expression of diacylglycerol kinase zeta in microglia2009

    • 著者名/発表者名
      Nakano T, Iseki K, Hozumi Y, Kawamae K, Wakabayashi I, Goto K.
    • 雑誌名

      Neurosci Lett. 461

      ページ: 110-115

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diacylglycerol kinase beta promotes dendritic outgrowth and spine maturation in developing hippocampal neurons2009

    • 著者名/発表者名
      Hozumi, et al.
    • 雑誌名

      BMC Neurosci. 10

      ページ: 99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Localization of diacylglycerol kinase epsilon on stress fibers in vaseular smooth muscle cells2009

    • 著者名/発表者名
      Nakano, et al.
    • 雑誌名

      Cell Tissue Res. 337

      ページ: 167-175

    • 査読あり
  • [学会発表] DNA損傷におけるジアシルグリセロールキナーゼζとp53の役割2010

    • 著者名/発表者名
      田中俊昭, 後藤薫
    • 学会等名
      第115回日本解剖学会総会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      20100300
  • [学会発表] Nucleocytoplasmic translocation of diacylglycerol kinase zeta under oxygen and glucose deprivation in rat hippocampal slices2009

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Y, Yamazaki Y, Kaneko K, Fujii S, Iseki K, Goto K.
    • 学会等名
      39th Annual Meeting of Neuroscience
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      20091017-20091021

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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