研究課題/領域番号 |
20592120
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
片山 浩 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (90161067)
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研究分担者 |
高橋 徹 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40252952)
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40108171)
清水 裕子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80423284)
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キーワード | 出血性ショック / 消化管障害 / ヘムオキシゲナーゼ-1 / 炎症 / アポトーシス / SIRS / MODS / HIF-1alpha |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼー1(HO-1)はストレス蛋白で、細胞保護効果が報告されている。われわれは、ラット出血性ショックモデルを用いて、HO-1の消化管保護効果について検討をおこなった。平均血圧を30mmHgに60分間維持し、消化管(十二指腸、空腸、回腸、結腸)を経時的に採取し、northernblot法でHo-1、TNF-α、iNos、ALAs-N、HIF-1α、Bc1-2mRNAを、免疫染色でHO-1蛋白を検討した。また、ISOL染色、カスパーゼ3染色でアポトーシス細胞の検討をおこなった。HO-1mRNAは、部位特異的に発現し、TNF-α、iNOSmRNAの発現と鏡像関係にあった。ALAS-NmRNAははっきりした傾向は示さず抑制は受けていなかった。HIF-1αmRNAは、ショック早期に発現が上昇していた。HO-1蛋白は、粘膜上皮を中心に組織全体に発現していた。Bcl-2mRNAはHO-1の発現のみられた部位で増加しており、HO-1の拮抗阻害剤であるSnMP投与により減少した。アポトーシス細胞数はHO-1の発現と鏡像関係にあり、SnMP投与により、十二指腸、空腸、結腸で増加した。ラット出血性モデルにおいて、HO-1は部位特異的に発現し、消化管保護的に働くことが考えられ、その発現はヘムによるものより虚血によるものが考えられた。また、HO-1の抗アポトーシス作用により消化管保護的に働くことが考えられた。
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