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2008 年度 実績報告書

神経剤の循環器系における非コリン性毒性作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20592124
研究機関広島大学

研究代表者

長尾 正崇  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80227991)

研究分担者 吉栖 正生  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20282626)
奈女良 昭  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30284186)
キーワード急性中毒学 / 救急医学 / 神経剤
研究概要

神経剤の循環器系における非コリン性毒性作用を明らかにするため、サリンの構造類似物質BIMPをIsoflurane麻酔(2.5%)、呼吸管理下のWistar rat(9-11週齢)に大腿動静脈より静脈内投与し、血圧・心拍数を観察した。ある用量の範囲内において,BIMPおよびneostigmineを投与した直後に,parasympathomimeticな効果と見られる一過性の心拍数低下とそれに伴う血圧低下が認められた。BIMPは03mg/kgの用量においてこの作用を示したが,一方neostigmineは,より低用量(0.01-0.1mg/kg以上)において同様の作用を示した.BIMPによる心拍数・血圧低下作用は,非選択的なムスカリン性アセチルコリン受容体遮断薬であるatropine(0.1mg/kg)の前投与により消失したが、これは心臓迷走神経効果器受容体が遮断されたためと考えられた。また、非選択的なα-およびβ-blocker(phentolamine 1 mg/kgおよびpropranolol0.3mg/kg)の前投与によりより明確となった。
高用量(0.3mg/kg以上)においては、BIMPおよびneostlgmlneはともにより上記の心拍数・血圧低下の作用をほとんど示さず、高用量のBIMPは著明な血圧上昇作用および心拍数増加作用を示し,その効果はneostigmineと比較して有意に大きかった。これらのことより,血圧および心拍数に対して,(neostigmineと比較して)sympathomimeticな効果が強いことがBIMPの特徴であると考えられ,高用量(とくに0.6mg/kg)においてそれが顕著に認められた。しかしながら,このsympathomimeticな効果は,α-およびβ-blockerや自律神経節遮断薬hexamethonium(C6,30mg/kg)の前投与によって完全には抑制されなかった.このことは,上記のBIMPの効果が,交感神経系の活性化を介さない何らかの直接作用によるものであることを示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] サリン類似物質の循環器系に対する薬理作用2008

    • 著者名/発表者名
      渡邉義将, 伊藤猛雄, 前野義孝, 加藤秀章, 仲井 希, 長尾正崇
    • 学会等名
      第92次日本法医学会総会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      2008-04-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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