研究課題/領域番号 |
20592127
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
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研究分担者 |
宮木 大 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60365400)
関根 和彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90296715)
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キーワード | CCR4 / IL-18 / SIRS / ALI |
研究概要 |
1.マウスのSIRS、炎症性肺疾患モデルにおける、侵襲後の免疫・炎症、栄養・電解質・代謝変動の総合的解析:マウス熱傷後septic ALI(敗血症性急性肺損傷)モデルを用いて、熱傷負荷後の肺における遺伝子発現解析をGene chipを用いて行い、変動を認めたため、現在精査中である。また、以前の検討で明らかとなった、熱傷後の肺MDC/CCL22増加と、CCR4拮抗薬による生存率改善効果の機序を検討した。その結果、CCR4拮抗薬投与群で肺の炎症性細胞浸潤が有意に抑制されていることが分かった。 また、塩酸吸入によるALIモデル作成を試み、CASP(胃内容物)の同時投与による肺傷害の増悪を確認した。免疫組織では、塩酸吸入1日後に細気管支上皮、肺胞領域いずれにおいても、上皮細胞の修復・再生に関与するMusashi-1の発現が誘導されており、全肺における同遺伝子発現解析でも同様の結果を得た。 2.生体内細胞環境の変動を再現した培養環境下で、肺実質細胞、免疫細胞を培養した場合の、生理的機能、代謝機能や侵襲因子に対する反応性、抵抗性の解析:熱傷後septic ALIモデルにおける、少量IL-18補充の病態改善機序を解明するため、健常マウスの脾臓を抽出し、脾細胞を種々の濃度のIL-18共存下で培養、遺伝子発現をGene Chipを用いて比較検討した。その結果、多くの遺伝子発現の変動を認めたが、その変動パターンは多様であり、分類が困難であった。次に、同様に単球系培養細胞MonoMac6を種々のIL-18共存下で培養し、遺伝子発現パターンを比較検討したところ、IL-18濃度変化による遺伝子発現変動はより明瞭であり、パターン分類が可能であった。現在IL-18濃度が正常域に比し、低濃度と高濃度で同様に変動する遺伝子の同定を試みている。
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