敗血症に伴う重症末梢神経炎は現在でもその発生機序が不明であり、また、治療法も確立していない。長期敗血症ラットモデルを用いた本研究の結果から、その機序に活動電位の閾値上昇が関与していることが判明した。また、この閾値の変化は軸索変性など病理学的変化が生じる以前に発生する可能性があることが判明した。加えて、第Xa因子阻害薬であるdanaparoidならびにantithrombin IIIは末梢神経血流速度の改善のみならず振幅の低下も改善することが判明し、このことは治療法が確立していない敗血症に伴う重症末梢神経炎の治療法に大きな影響を与えるものと考えられる。
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