研究課題/領域番号 |
20592132
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
山下 優毅 産業医科大学, 医学部, 名誉教授 (00028680)
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研究分担者 |
吉田 安宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
杉浦 勉 産業医科大学, 産業医学研究支援施設, 准教授 (40131924)
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キーワード | Septic Shock / マクロファージ / プロスタグランジン |
研究概要 |
自然免疫系におけるマクロファージの活性化機構について、サイトカイン産生、化学伝達物質の産生等について解析を行ってきた。特に、プロスタグランジン(PG)の産生はマウスの系統により差があることを見いだしている。マクロファージの関与が考えられるSeptic Shock発症にマウスの系統差、PG産生能による差があると考え、以下の実験を行った。 PG合成酵素ノックアウトマウス[Membrane-bound glutathione-dependent PGE_2 synthase(mPGES、BALB/cもしくはC57BL/6N由来)ノックアウトマウスおよび、hematopoietic PGD synthase(hPGDS、BALB/c由来)ノックアウトマウス]を用いて高容量エンドトキシン(LPS)投与および、Propionibacterium acnes(P.Acnes)前処理後、低容量LPS投与後の炎症性反応や、血清中のサイトカイン類産生について比較検討を行った。 1.高容量LPS投与後のマウス血清中のIL-1β、IL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカイン類の産生は、mPGES-KOマウスでWTマウスと同等かやや高い産生を示した。対照的に、hPGDS-KOマウスでは、WTマウスに比べIL-6、TNF-αの産生は著しく低下していた。 2.肝機能の指標である血清中のGPT、GOT値は、両KOマウスでWTマウスに比べGOTで低値であった。 3.P.Acnes前処理、低容量LPS投与後のマウス血清サイトカイン類の産生は、IL-1β、IL-6、TNF-α、IL-10、lL-12およびIFN-γなどで両KOマウスでやや高い値を示した。 4.肝機能および、炎症反応の指標であるGOT、GPT、LDHおよびCREは、GOT、LDH値で両KOマウスは著しく上昇していた。などの結果を得た。 以上の結果、PGE_2およびPGD_2はサイトカイン類の産生、炎症反応の質、程度などに影響をおよぼしていると考えられた。
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