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2008 年度 実績報告書

唾液腺腫瘍の病理診断標準化のための組織学的ならびに分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20592141
研究機関広島大学

研究代表者

小川 郁子  広島大学, 病院, 講師 (70136092)

研究分担者 高田 隆  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10154783)
工藤 保誠  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50314753)
宮内 睦美  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50169265)
北川 雅恵  広島大学, 病院, 助教 (10403627)
キーワード病理診断 / 唾液腺腫瘍 / 腫瘍性筋上皮 / p63 / カルポニン / c-kit / Aurora B
研究概要

20年度は、主に臨床材料を用い,以下の結果を得た。
1.腫瘍性筋上皮を構成成分とする腫瘍型で、もっとも高率かつ広範に陽性を呈するマーカーはp63であり、スクリーニングとして有用であることが明らかとなった.一方で、扁平上皮(化生)細胞でも陽性であり、化生を伴わない部分での評価が必要であった。
2.ビメンチンも腫瘍性筋上皮に高率に発現されるが、腺癌,NOSや腺房細胞癌など、腺上皮細胞のみからなる腫瘍型でも陽性を呈するため、有用性は低かった。
3.S-100タンパクは、多形腺腫、筋上皮腫/筋上皮癌、上皮筋上皮癌のグループと基底細胞腺腫/腺癌、腺様嚢胞癌のグループの識別に有用であることが確認された。
4.カルポニンは、筋上皮に対して特性が高かったが、腫瘍性筋上皮では分化の明瞭な細胞しか陽性を呈さず、腫瘍への適用に限界があった。
5.平滑筋アクチンもカルポニンと同様であり、さらに間質め筋線維芽細胞との識別に注意を要することが再確認された。
5.c-kitは、腺様嚢胞癌のみではなく、他の瘍型、特に悪性腫瘍で発現がみられ、診断的な価値のないことが明らかとなった。
6.M期の進行に関わるAurora Bの発現と増殖活性マーカーであるKi-67とは局在がほぼ一致しており、唾液腺腫瘍の増殖とAurora-Bの過剰発現との関係が示唆された。
7.E-cadherinの発現低下は、今年度検討した悪性腫瘍(腺様嚢胞癌、粘表皮癌、腺房細胞癌、唾液導管癌、上皮筋上皮癌など)では認められなかった。
8.口腔扁平上皮癌の浸潤初期に関与するIFITM1の唾液腺腫瘍での関わりについて検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 広範に篩状胞巣の形成を示した基底細胞腺癌の1症例2008

    • 著者名/発表者名
      小川 郁子
    • 雑誌名

      日本唾液腺学会誌 49

      ページ: 35

  • [雑誌論文] IflTEM1 promotes the incasion at the early stage of head and neck ・・2008

    • 著者名/発表者名
      工藤保誠
    • 雑誌名

      Clinical Cancer Research 14

      ページ: 6097-6105

    • 査読あり
  • [学会発表] 耳下腺腫瘍(Basal cell adenocarcinoma)2008

    • 著者名/発表者名
      小川 郁子
    • 学会等名
      第19回日本臨床口腔病理学
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2008-08-22
  • [学会発表] 耳下腺に発生した硬化性多嚢胞性腺症(SPAの1例2008

    • 著者名/発表者名
      小川 郁子
    • 学会等名
      第97回日本病理学会
    • 発表場所
      金沢市
    • 年月日
      2008-05-16
  • [図書] 新口腔病理学 第18章 唾液腺腫瘍2008

    • 著者名/発表者名
      小川 郁子
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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