Conjugative transposon、CTnPg1のP.gingivalis菌株間、さらには類似菌種間での転移能の解明を行った。CTnPg1遺伝子の転移を容易に検出する為に、donorとなるP.gingivalisATCC33277株のCTnPg1中の遺伝子間にアンピシリン耐性遺伝子を挿入した株を、またrecipientとなるP.gingivalisW83株のporT遺伝子領域にはエリスロマイシン耐性遺伝子を挿入した株を作製した。この両株の対数増殖期の菌を混和、遠心にて菌体を回収し、TS寒天培地に接種し、約18時間嫌気培養する。嫌基培養後のTS寒天培地から菌体を回収、段階希釈後にアンピシリン+エリスロマイシン含有TS寒天培地に接種し嫌気培養し、CTnPg1の転移効率を求めた。この実験からCTnPg1が抗生物質などの前処理なしに、恒常的に転移効率10^<-5>から10^<-6>でATCC33277株からW83株へ転移することが明らかになった。また他の類縁の菌であるあるBacteroidesとPrevotellaへは菌株によってCTnPg1は転移することを明らかにした。上記の実験に際し、得られたCTnPg1のtransconjugant株からゲノムDNAを調整し、CTnPg1中の特異配列をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行い、recipientのゲノム中へのCTnPg1の挿入を確認した。またinversePCR法により各transconjugant株ゲノム中でのCTnPg1挿入位置を決定した。
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