研究課題/領域番号 |
20592144
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (80173459)
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研究分担者 |
小野寺 政雄 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (10326689)
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
大澤 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
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キーワード | リンパ管構築 / マウス頬粘膜 / マウス臼歯歯根膜 / マウス臼歯の発生 |
研究概要 |
頭頸部領域においては諸臓器のリンパ管構築および所属リンパ節への経路すら未だ不明確である。種々の酵素組織化学染色、免疫組織化学染色を逐次応用して実験動物(マウス、スンクス)の頭頸部を中心に全身の連続切片作成を試み、全身のリンパ管構築を周囲組織との関係を保持しながら三次元的にマッピングを行うことを目的とした。 マウスの頬粘膜は、他の口腔粘膜に比べ粘膜上皮層が薄く、粘膜表面も非角化性であり固有層も可動性で、液体の分散性が良い。このことより他の部位の粘膜よりも薬剤吸収効率が高いことが予想された。特に臼歯部咬合面付近において多くの上皮脚が存在していた。また臼歯部では、上顎よりも下顎の方で上皮脚が多いことが分かった。無歯部では、下顎において上皮脚が確認できるが、上顎および咬合面付近では、殆ど確認できなかった。咽頭部では、咬合面付近においてのみ上皮脚が認められた。血管のループは結合組織乳頭の高さが100μm以上のものにのみ侵入していたが、リンパ管の盲端は100μm以下の短い乳頭にも侵入しており、頬粘膜下リンパ管は吸収効率の高いことが推測できた。これらの盲端の分布は臼歯部から口峡部にかけての咬合平面部より下方に多く認められた。 マウス下顎臼歯歯根膜のリンパ管は根尖部に数本が存在するのみで、歯根の歯頸側2/3にはリンパ管は認められなかった。このことは、歯根膜炎の際の脈管による高分子タンパク吸収との関連があると考えられる。この点については、マウスの歯の発生、萌出のステージごとの観察を行い、リンパ管の構築変化を検索し、根尖部と歯肉リンパ管の発生変化を検索する予定である。 スンクスについては名古屋大学より供与を受け、現在、出生1〜7日例の試料の作成中である。
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