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2010 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の進展と上皮間葉移行に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20592145
研究機関明海大学

研究代表者

草間 薫  明海大学, 歯学部, 教授 (20130479)

研究分担者 坂下 英明  明海大学, 歯学部, 教授 (10178551)
田中 章夫  明海大学, 歯学部, 助教 (30406392)
キーワード口腔癌 / 扁平上皮癌 / 上皮間葉移行 / E-cadherin / vimentin / TGF-β / Snail / podoplanin
研究概要

口腔扁平上皮癌における上皮間葉移行(転換):epithelial-mesenchymal transition(EMT)の関与を明らかにする目的でEMTの関連因子であるTGF-β, E-cadherin, Snailおよびvimentinについて前年度に引き続いて症例を重ねて免疫組織学的検索を行い、臨床病理学的事項との相関性について検討し、さらに、頭頸部扁平上皮癌由来細胞株を使用し、EMT関連因子の遺伝子発現について検索した。その結果E-cadherinの発現減少・消失は全ての症例でみられ、特に腫瘍浸潤部で明らかであった。一方、vimentinの陽性反応を認めたのは57例中9例(15.8%)と少数例であったが、この間葉系マーカーの発現は腫瘍浸潤部に限られ、E-cadherinの発現減少・消失部位と一致していた。vimentin発現の制御のメカニズムについては未だ不明であるが、E-cadherinと同様にTGF-β誘導によるEMTが誘導されていることが考えられた。Snailの発現は57例中36例(63.1%)で認められたが、いずれも癌細胞の細胞質に弱い反応を示したのみであり、標的因子であるE-cadherinの発現様式との間に関連性はみられなかった。頭頸部扁平上皮癌由来細胞株をTGF-βで刺激し、real time RT-PCRにて各因子のmRNAレベルの発現を経時的に検索した結果、3種類の細胞株ともSnailの発現にはほとんど変化を認めなかったが、Ca9-22ではvimentin mRNA発現の著しい増加が、KBではE-cadherin mRNA発現の著しい減少がみられ、これらの発現動態は各細胞株によって異なっていた。口腔扁平上皮癌ではTGF-β誘導によるEMTが不完全ながらも生じており、E-cadherinの発現減弱にはSnail以外の転写抑制因子が関与し、Snailの発現や活性は様々なシグナル伝達経路によって制御されていることが示唆された。また,癌患者の個人別治療への応用へ向けて,さらなるEMTメカニズムの解析の必要性が考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 口腔扁平上皮癌におけるepithelial-mesenchymal transition関連分子の検討2010

    • 著者名/発表者名
      田中章夫, 他
    • 雑誌名

      Hosp Dent (Tokyo)

      巻: 22 ページ: 33-39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 口腔扁平上皮癌におけるinterleukin(IL)-23の発現と動態について2010

    • 著者名/発表者名
      田中真, 他
    • 雑誌名

      Hosp Dent (Tokyo)

      巻: 22 ページ: 163-173

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of prostaglandin E2 production by flavone and its related compounds.2010

    • 著者名/発表者名
      Kaneko T, et al.
    • 雑誌名

      In Vivo

      巻: 24 ページ: 55-58

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔癌進展におけるHPVおよび歯周病の関与について2010

    • 著者名/発表者名
      宮崎裕司, 他
    • 学会等名
      第47回日本消化器免疫学会総会
    • 発表場所
      滋賀(大津)
    • 年月日
      2010-07-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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