AndrogenとThyroid hormoneの繰返し投与によって、顆粒性膨大部(GCT)の存在しないマウス耳下腺にも、GCT様細胞が出現した。この結果、ホルモン依存性GCTはマウス三大唾液腺導管系における共通の個性であることを示唆する。唾液腺間のGCT表現型の違いはホルモンに対する感受性の相違、すなわち、ホルモン受容体量の相違(顎下腺>舌下腺>耳下腺)によると考えられる。この仮説を基盤として、市販されているAndrogen受容体に対する抗体を用いたimmunohistochemistryとWestern blotting法を試みたが、まだ結果を得ていない。精巣や付属性腺に存在するAndrogen受容体と唾液腺のAndrogen受容体とは分子構造が異なる可能性も考えられる。
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