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2008 年度 実績報告書

硬組織形成における組織幹細胞微小環境の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20592163
研究機関松本歯科大学

研究代表者

二宮 禎  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)

研究分担者 中村 浩彰  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
平賀 徹  松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
小出 雅則  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
キーワード幹細胞 / 硬組織形成 / 微小環境 / 歯周組織再生
研究概要

本研究は,硬組織形成に関わる組織幹細胞を維持する微小環境を解明することで,顎顔面の再生医療への応用を探求することを目的とした.平成20年度はラット歯根膜組織における組織幹細胞の存在とその特徴,そして,その細胞が持つ特異因子を検索した.幹細胞には,組織幹細胞が豊富に存在すると考えられているSide Population (SP)細胞を対象とした, Fluorescence activated cell sorting (FACS)システムにより単離したSP細胞とnon-SP (NSP)細胞の性状を分析した.歯根膜細胞には,約2%のSP細胞が存在しており,その増殖能は, NSP細胞よりも低いことが示された.また,培養実験において, SP細胞はNSP細胞よりも高い骨芽細胞分化能および石灰化能を有することが示された.さらに,ハイドロキシアパタイトの多孔性スキャホールドを用いた移植実験においても, SP細胞を用いた系で硬組織形成が認められた.その硬組織は, bone sialoprotein, osteocalcin, osteopontin-positiveであったことから,骨様硬組織であることが示された.さらに, SP細胞とNSP細胞をマイクロアレイに供し, SP細胞特異因子および分化誘導因子を網羅的に解析した結果,トランスポーターであるMDR-1の他,いくつかの因子がSP細胞に強い発現が認められた.この所見は,骨形成能で示されたようにSP細胞がNSP細胞と異なる性質を持った細胞集団であることを裏付けた.また,この実験により検索されたSP細胞特異因子が組織幹細胞を維持する微小環境を調整する可能性が考えられる.
以上より,歯根膜細胞に存在するSP細胞が,骨組織形成において高い能力を有しており,効率的な硬組織再生に利用できる可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Involvement of cell-cell and cell-matrix interactions in bone destruction induced by the metastatic MDA-MB-231 human breast cancer cells in nude mice.2008

    • 著者名/発表者名
      H. Nakamura, et al
    • 雑誌名

      J Bone Miner Metab 26

      ページ: 642-647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alveolar bone regeneration of suboutaneously transplanted rat molar2008

    • 著者名/発表者名
      A. Hosoya, et al
    • 雑誌名

      Bone 42

      ページ: 350-357

    • 査読あり
  • [学会発表] 歯根膜SF細胞を用いた歯槽骨再生の試み2008

    • 著者名/発表者名
      二宮禎
    • 学会等名
      第26回 日本骨代謝学会
    • 発表場所
      大阪, (大阪国際会議場)
    • 年月日
      2008-10-30
  • [学会発表] 歯根膜細胞による歯周組織形成能2008

    • 著者名/発表者名
      平賀 徹
    • 学会等名
      第26回 日本骨代謝学会
    • 発表場所
      大阪, (大阪国際会議場)
    • 年月日
      2008-10-30
  • [学会発表] 軟骨内骨化におけるThy-1陽性細胞について2008

    • 著者名/発表者名
      中村 浩彰
    • 学会等名
      第68回 日本解剖学会中部支部学術集会
    • 発表場所
      愛知, (名古屋市立大学)
    • 年月日
      2008-10-11
  • [学会発表] 歯根膜細胞のin vivo における骨形成能2008

    • 著者名/発表者名
      平賀 徹
    • 学会等名
      第50回 歯科基礎医学会
    • 発表場所
      東京, (TOC有明コンベンションホール)
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] 歯根膜SP細胞を用いた歯槽骨再生の試み2008

    • 著者名/発表者名
      二宮 禎
    • 学会等名
      第50回 歯科基礎医学会
    • 発表場所
      東京, (TOC有明コンベンションホール)
    • 年月日
      2008-09-24
  • [学会発表] Osteogenic Potential of Periodontal Ligament Cells in Vivo2008

    • 著者名/発表者名
      T. Hiraga
    • 学会等名
      30th ASBMR Annual Meeting
    • 発表場所
      Montriol, Canada, (Palais Des Congres)
    • 年月日
      2008-09-15

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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