研究課題/領域番号 |
20592163
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
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研究分担者 |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
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キーワード | SP細胞 / 硬組織形成 / 歯根膜細胞 / 微小環境 |
研究概要 |
本研究は,硬組織形成に関わる組織幹細胞を維持する微小環境を解明することで,顎顔面の再生医療への応用を探求するものである.これまでに、本研究において、幹細胞が豊富に存在すると考えられているSide population(SP)細胞が歯根膜に存在し、高い硬組織形成能を有することを示した。平成22年度は歯根膜SP細胞およびNSP細胞の歯周組織形成に対する機能を検討した。 1. 歯根膜幹細胞による異所性硬組織形成 ハイドロキシアパタイト(HA)のスキャホールドにGFPラット由来歯根膜(PDL)細胞、SP細胞、およびNSP細胞をそれぞれ播種した後、ラットの背部皮下に移植した。移植3か月後に摘出し、組織標本を作製した。SP細胞およびNSP細胞に関しては、これまでの実験と一致し、SP細胞のHAで硬組織形成が認められた。NSP細胞のHAは、線維芽細胞様細胞が維持された。一方、PDL細胞のHAは、硬組織形成に加え、その周囲には、歯根膜様組織形成、さらにその周囲にセメント質様基質形成が認められた。 2. NSP細胞の硬組織形成抑制因子 前述1より、NSP細胞は、歯根膜の石灰化を抑制することが推測された。その因子をRT-PCRにより、検索した結果、石灰化抑制因子として知られるMatrix Gla ProteinとPeriodontal ligament associated protein-1がNSP細胞で高い発現を示した。 以上より、SP細胞は硬組織形成を担い、NSP細胞は歯根膜を維持する機能を有することが示唆された。
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