咬合力の情動による調節機構を明らかにする目的で、神経軸索トレーサー(ビオチン化デキストランアミンBDA・ファーストブルー)を、扁桃体・視床下部・島皮質・青斑核・三叉神経中脳路核に微量注入した。その結果、扁桃体と視床下部から、三叉神経中脳路核神経節細胞へ投射していることが分かった。また、青斑核の神経細胞から、三叉神経中脳路核に軸索をトレースし、直接投射していることが明らかになった。 これらの結果から、咀嚼筋や歯根膜からの固有感覚は、情動に関連する脳の諸部位から直接調節されていることが明らかになった。私たちは、平成21年度の日本神経科学大会において、シンポジウム「The Amygdala : at the crossroad of self and others」を主催し、「Amygdala projection to the primary sensory nucleus」を講演した。また、ポスター発表を行った。 研究成果は、Journal of Comparative NeurologyとNeuroscience Researchとに、2報投稿中である。
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