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2010 年度 実績報告書

ストレスにより惹起される口腔感覚異常の神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20592171
研究機関岐阜大学

研究代表者

伊藤 和夫  岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (60093184)

研究分担者 中村 浩幸  岐阜大学, 医学系研究科, 准教授 (10211434)
キーワードストレス / 情動 / 口腔感覚 / 三叉神経中脳路核 / 扁桃体 / 青斑核 / 脳 / 神経
研究概要

ストレス反応や不快な情動に伴い、口腔感覚異常(咬合痛、知覚過敏、顎・口腔領域の不快感)や機能不全(顎関節症など)などの生理的反応が起きる。この中枢制御機構を神経トレーサー(ビオチン化できストランアミン)法により形態学的に研究した。その結果、情動やストレスに関与している脳の領域(扁桃体および青斑核)から、口腔領域の固有感覚情報を脳に送っている三叉神経中脳路核に、直接投射していることを明らかにした。
扁桃体から三叉神経中脳路核への投射神経細胞は、扁桃体中心核全体に密に分布していた。投射神経線維は、扁桃体中心核から内側に向かい、黒質背外側部を下行する。中脳中心被蓋野を背内側方向に走行して、中脳水道周辺灰白質および第4脳室底灰白質に向かう。中脳水道周辺灰白質および三叉神経運動核周辺の網様体に終末を作りつつ下行し、三叉神経中脳路核の神経節細胞ならびに介在神経細胞にシナプスを形成していた。
青斑核の神経細胞数個に限局してビオチン化できストランアミンを取り込ませ、連続切片上で軸索の走行を追跡した。青斑核の細胞体から背外側方向に向かう軸索は、三叉神経中脳路核の神経節細胞にシナプス様構造を形成していた。また、神経節細胞周囲の介在神経細胞にもシナプスが見られた。
本研究は、情動が感覚入力を直接制御していることを明らかにした意義がある。さらに、感覚異常の治療に、ストレスや情動の制御が重要であることを示している。ストレス状況の解決や、向精神薬の使用が、口腔感覚異常や機能不全の際の治療に考慮されることを示唆する点で重要な研究である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The locus coeruleus projects to the mesencephalic trigeminal nucleus in rats.2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T, Itoh K, Nakamura H
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 68 ページ: 103-106

    • 査読あり
  • [図書] Neuroanatomy Research Advances2010

    • 著者名/発表者名
      Nakamura H, Itoh K.(Flynn CE, Callagphan BR)
    • 総ページ数
      279
    • 出版者
      Nova Science Publishers, Inc.

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公開日: 2012-07-19  

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