研究課題/領域番号 |
20592173
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
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研究分担者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
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キーワード | CCN2 / CTGF / 破骨細胞形成 / CCN2 / CTGF欠損マウス / RANKL / DC-STAMP / M-CSF / fetal liver cells / retrovirus |
研究概要 |
軟骨を鋳型に骨が形成される内軟骨性骨化では軟骨組織の吸収が不可欠である。CCNファミリー2/結合組織成長因子 (CCN2/CTGF)が内軟骨性骨化を進行させる軟骨細胞や骨芽細胞、血管内皮細胞に対して増殖あるいは分化を促進させることはこれまでの研究で明らかにされているが、軟骨基質の吸収に主要な役割を果たす破骨細胞でのCCN2の役割は不明であった。この点を明らかにしようとした本研究課題では平成20年度にマウスマクロファージ系の細胞株であるTAW264.7細胞を用いて破骨細胞形成におけるCCN2の役割を明らかにし、平成21年度ではCCN2欠損マウス由来の細胞を用いてCCN2の作用をより詳細に検討した。 1. 破骨細胞の形成におけるCCN2の遺伝子発現レベル及びタンパク質産生の変動をRAW264.7細胞にRNAKLを添加し、time courseを取ってを詳細に検討したCCN2の遺伝子発現量及びタンパク質産生量は共に破骨細胞の分化後期に増加した。 2. CCN2欠損マウスは生後すぐに死亡するため骨髄細胞を単離することが困難である。そこで、胎生14.5日ではまだ造血器官として機能している肝細胞を用いて、破骨細胞形成を検討した。野生型ではRANKLとM-CSFによって多核の破骨細胞が多数形成されたが、CCN2欠損マウス由来の細胞では多核細胞の形成はほとんど見られなかった。また、細胞融合に関与するDendritic cell-specific transmembrane protein(DC-STAMP)などの破骨細胞のマーカー遺伝子の発現レベルも野生型と比較して低下していた。 3. CCN2欠損マウス由来の細胞を用いたM-CSF及びRANKLによる破骨細胞形成の誘導にrCCN2を添加すると、破骨細胞形成が一部レスキューされた。また、破骨細胞のマーカー遺伝子の発現レベルも上昇した。 4. DC-STAMPの発現レベルを上昇させるためにDC-STAMPを発現するレトロウィルスを作製し、CCN2欠損マウス由来の細胞に感染させた。その結果、rCCN2を添加した時と同様に破骨細胞形成が一部レスキューされた。 以上の結果からCCH2はDC-STAMPと結合し、細胞融合を促進することで破骨細胞形成を促進すると考えられた。
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