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2010 年度 実績報告書

味蕾細胞分化メカニズムの解明:味細胞と味神経の相互作用を再現する培養系の利用

研究課題

研究課題/領域番号 20592177
研究機関鹿児島大学

研究代表者

原田 秀逸  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60128452)

研究分担者 中山 歩  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (10398290)
キーワード味蕾 / 味神経 / 味覚 / 細胞分化
研究概要

味蕾発生過程で神経が上皮に到達する時期の細胞分化解析の指標にするために、味蕾原基の形成に重要であるとされているSox2と味蕾基底細胞で強く発現するProx1について、免疫組織化学により、味蕾内の発現強度の比較解析を進めた。まず、未成熟な味蕾細胞が局在する味蕾基底部について解析した。その結果、味蕾基底部には、これまで報告されていたSox2を強く発現する細胞に加えて、味蕾を含まない上皮領域とほぼ同じ程度のバックグランドレベルで極めて弱くSox2を発現する細胞が存在することが明らかになった。また、Prox1は全ての味蕾基底細胞で発現が認められたが、その発現強度から基底細胞は2つのグループに分けられた。このうちProx1を強く発現する味蕾基底細胞には、その全てに強いSox2の発現が認められた。一方、Prox1の発現が比較的弱い細胞では、Sox2の発現強度が高い細胞とバックグランドレベルの細胞の2種類が確認された。その結果、Sox2とProx1の発現強度の比によって、味蕾基底細胞は3つのグループに分類された。さらに、味蕾のIII型細胞に蛍光タンパク質GFPを発現するマウス(GAD67-GFP mouse)を用いて、TRPM5(味蕾II型細胞に特異的に発現する)とSox2の免疫組織化学を行って、味蕾の伸長した成熟細胞を解析した。Sox2を強く発現する細胞は、GFP、TRPM5のいずれも陰性であり、これまで報告されている通り、Sox2がI型細胞で発現していることが示された。しかし、GFP陽性細胞の大部分はSox2を中程度の強度で発現しており、Sox2の発現強度と味蕾のI,II,III型の細胞種の分化に対応関係が有る可能性が新たに示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Taste bud regeneration and the search for taste progenitor cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Miura H, Barlow L.
    • 雑誌名

      Arch Ital Boiol

      巻: 148(2) ページ: 107-118

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lrmp/Jawl is expressed in sweet, bitter and umami receptor-expressing cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Shindo Y, Kim MR, Miura H, Yuuki T, Kanda T, Hino A, Kusakabe Y
    • 雑誌名

      Chem Senses

      巻: 35(2) ページ: 223-224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gustducinを介さない苦味情報伝達系のlicking解析による評価2010

    • 著者名/発表者名
      大木誠, 三浦裕仁, 友成博, 中山歩, Robert F.Margolskee, 二ノ宮裕三, 原田秀逸
    • 雑誌名

      味と匂学会誌

      巻: 17(3) ページ: 223-224

    • 査読あり
  • [学会発表] Gustducinを介さない苦味情報伝達系のlicking解析による評価2010

    • 著者名/発表者名
      大木誠, 三浦裕仁, 友成博, 中山歩, Robert F.Margolskee, 二ノ宮裕三, 原田秀逸
    • 学会等名
      第44回 日本味と匂学会大会
    • 発表場所
      北九州市
    • 年月日
      20100908-20100910
  • [学会発表] Appearance of Proxl cells during taste bud development and turnover2010

    • 著者名/発表者名
      三浦裕仁, 中山歩, 大木誠, 原田秀逸
    • 学会等名
      The 8^<th> International Symposium on Molecular and Neural Mechanisms of Taste and Olfactory Preception
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2010-11-06

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公開日: 2012-07-19  

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