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2009 年度 実績報告書

炎症性骨破壊における破骨細胞の動態-バイオイメージング手法による解析-

研究課題

研究課題/領域番号 20592185
研究機関昭和大学

研究代表者

鈴木 恵子  昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)

研究分担者 山田 庄司  昭和大学, 歯学部, 教授 (00111617)
キーワード破骨細胞 / 炎症性骨破壊 / in vivo imaging / 骨吸収治療薬
研究概要

破骨細胞は造血幹細胞に由来し、分化誘導因子や受容体を免疫・炎症細胞と共有するため、炎症性骨破壊の病態は極めて複雑である。このように複数の細胞種が相互に関連する病的骨破壊の病態を解明するためin vivo imaging手法により実験を行った結果、以下の結論が得られた。(1) 炎症性骨破壊を起こしたマウスにLuc-Tgラット由来の破骨前駆細胞を尾静注したところ、3日以内に炎症部位に発光が観察され、5日後に頭蓋骨は吸収されていた。実験終了時に炎症皮膚を除去して発光観察した結果、Luc陽性細胞は頭蓋骨に分布することが確認された。(2) 頭蓋骨ではluciferaseとrat TRAP遺伝子の発現が認められたことから、炎症局所への前駆細胞のリクルートおよび成熟破骨細胞への分化が証明された。この過程は現在開発中の新規治療薬により顕著に抑制されたことから、この治療薬は破骨前駆細胞の遊走抑制作用をもつことが明らかになった。また、遺伝子解析の結果から、炎症性骨破壊モデルマウスでは骨吸収マーカー(TRAP,cathepsinK, MMP9)の他にTNFalpha, IL-1beta, IL-6, MCP-1, MIPlalphaが増加していた。(3) EGFP-Tgラット由来の破骨前駆細胞を用いて同様の実験を行い、in vivo顕微鏡で麻酔下のマウスにおける蛍光分子の分布について検討した。その結果、生きているマウスの頭蓋骨において、複数の核をもつEGFP陽性細胞、すなわち移入した前駆細胞から分化した破骨細胞を観察することができた。(4) EGFP-Tgラット由来の破骨前駆細胞を移入したマウスから得られた頭蓋骨から非脱灰凍結切片を作製し、抗GFP抗体、アクチン線維および核染色した後、共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果、骨吸収窩と一致する部位にEGFP陽性の多核破骨細胞が局在することを確認することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Triacylated lipopeptide, a component of Gram-positive bacteria, induces osteoclastogenesis in the absence of RANKL and resorbs calvarial bone in vivo through Toll-like receptor 22010

    • 著者名/発表者名
      Keiko Suzuki, Shoji Yamada
    • 雑誌名

      Oral Ther Pharmacol 29(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of mechanical stimulation on the expression of Na+/Ca2+ exchanger mRNA and orientation of F-actin filaments in cultured osteoblastic cells2010

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Sakai, Keiko Suzuki, Tomio Morohashi, Shoji Yamada
    • 雑誌名

      Dent Med Res 29(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Recruitment of osteoclast precursor cells into the inflammatory site where extensive bone destructionoccurs2010

    • 著者名/発表者名
      Keiko Suzuki, Fumitaka Takeshita, Kenji Yamamoto, Shoji Yamada, Takahiro
    • 学会等名
      第83回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-03-16
  • [産業財産権] [4-(メチルチオ)フェニルチオ]メタンビスホスホン酸又は薬学的に許容され得るその塩を有効成分とする骨形成促進剤2009

    • 発明者名
      篠田壽, 鈴木恵子, 他2名
    • 権利者名
      東北大学
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2009/003758
    • 出願年月日
      2009-08-05
    • 外国

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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