研究課題/領域番号 |
20592190
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (20166763)
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研究分担者 |
福井 只美 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10267544)
菅 武雄 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40247333)
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キーワード | miRNA / 舌筋 / 咀嚼筋 / マイクロアレイ / Real-time PCR / in situ hybridization / miR199 / TGFβ |
研究概要 |
本研究においては舌筋、咀嚼筋の発生におけるmiRNAの機能を解析し、体肢の筋と比較することにより咀嚼筋との違いを明らかにする。さらに舌筋、咀嚼筋の発生におけるmiRNAの機能を促進または抑制する薬物を探求し、舌筋、咀嚼筋の再生療法、筋萎縮を防止する薬物やサプリメントを開発するための基礎的なデータを得ることを最終目的としている。本年度は、発生過程にある舌筋、咀嚼筋におけるmiRNAの発現バターンを、miRNAアレイを用いて網羅的に解析を行った。その結果、舌筋細胞の分化が活発に進行している胎齢13〜15日のマウス舌に、これまで骨格筋発生に関与が報告されていないmiR199の顕著な発現が観察された。現在、Real-time PCR法とin situ hybrldization法により発現量の測定と局在を解析する準備を進めている。 さらに、TGFβがmiRNAの発現を調節しているという報告があるので、舌発生過程におけるTGFβの発現を調べた。TGFβ1及び2は分化が進行している筋管細胞にわずかな発現が認められるのみであった。TGFβ3、TGFβRI及びTGFβRIIは分化を開始した筋芽細胞、分化が進行している筋管細胞に顕著な発現が観察されたP-smad2/3は分化を開始した筋芽細胞及び分化が進行している筋管細胞の核内に分布が観察された。以上の結果から、舌骨格筋の分化過程においてはTGFβ3のシグナルがTGFβRI及びTGFβRIIを介して細胞内へつたえられ、P-smad2/3の核内移行を引起していることが示唆された。TGFβ3は負の制御因子としてmiRNAを介して舌筋細胞の分化のスピードを調節している可能姓が示唆された。
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