研究課題/領域番号 |
20592195
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 由美子 東北大学, 病院, 助教 (30235866)
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研究分担者 |
酒井 梓 東北大学, 病院, 医員 (90463778)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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キーワード | IL-17 / IL-18 / TLRs / NODs / 口腔粘膜 / びらん・潰瘍 / 導管上皮 / ヘルパーT細胞 |
研究概要 |
1.自然免疫の口腔粘膜における検索。侵襲細菌に特異的な分子をパターン認識して自然免疫を発動するToll-like receptor(TLR)系ならびにnucleotide-binding oligomerization domain(NOD)系分子について、口腔上皮における発現を検討した。 1)正常歯肉組織でもこれら分子は発現していたが、炎症歯肉組織ではその発現が亢進していた。 2)扁平苔癬患者の口腔粘膜上皮でも同様に、発現の亢進が認められた。 3)慢性GVHD患者(免疫抑制剤の服用中)の口腔粘膜上皮、唾液腺上皮では発現はほとんど認められなかった。以上より、口腔上皮ではさまざまなパターン認識分子を介して侵襲細菌を認識し、抗菌物質などを産生して自然免疫応答に積極的に関与しているものと考えられた。 2.新たなヘルパーT細胞の口腔粘膜における検索。 1)IL-18は抗原剃激がなくても種々の細胞に作用してTh1反応とTh2反応を促進する唯一のサイトカインである。シェーグレン症候群患者の唾液腺組織においてはIL-18の発現が認められた。口腔扁平苔癬患者の口腔粘膜上皮では、IL-18の発現は正常粘膜と同様に認められた。 2)IL-17は炎症性サイトカインであり、多くの炎症性疾患や自己免疫疾患への関与が示唆されている。シェーグレン症候群患者の唾液腺組織においては導管上皮細胞および浸潤細胞にIl-17の発現が認められた。慢性GVHD患者(免疫抑制剤の服用中)の口腔粘膜上皮、唾液腺上皮では発現はほとんど認められなかった。
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