研究課題/領域番号 |
20592200
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高木 慎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40116471)
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研究分担者 |
永井 教之 岡山大学, 名誉教授 (90085770)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
水川 展吉 岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (00263608)
玉村 亮 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00403494)
岸本 悦央 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20091316)
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キーワード | チタン酸カルシウム / コーティング材 / インプラント / 歯科材料 / 骨結合 |
研究概要 |
歯科インプラントでは骨結合を最も強固にすることからチタンにHA(ハイドロキシアパタイト)コーティングを施した材料が臨床応用されている。しかし、従来技術ではコーティング層が厚く剥離、亀裂を生じやすく耐用年数が短い欠点があった。生体骨との持続的接着性といった問題点を解決するため、我々はチタン酸カルシウム-非晶質炭素複合物(CaTio3-C)という全く新しい複合物を開発した。本研究では新規コーティング材をインプラントコーティングし、その骨結合能について検討する。 平成20年度は培養実験によりコーティング材の基本的性質について、また平成21年度は動物(ラット)実験により新規コーティング材の骨形成能の検討を行った結果、新規生体材料CaTio3-Cは、HAと比較して優れた骨誘導能を有する材料であることが示された。 本年度は平成21年度に引き続き動物実験により新規コーティング材の骨結合能について検討した。特に、骨形成初期(3日)及び長期的影響について検討した。直径1mmのチタンpin上にCaTiO3-aC及びHAコーティングを行った後、各コーティングチタンpin及び非コーティングチタンpinをラット脛骨へ埋入、3日、4週および8週間後、組織観察を行った。長期的な観察結果から、CaTiO3-aCコーティング群はHAコーティング群と同程度の骨形成能を示した。また、埋入3日後においてはCaTiO3-aC群とHA群との間に有意な差は認められなかった。これらの結果から、CaTio3-aCは長期的な骨結合能を有し、新規インプラントコーティング材として有用であると考えられた。
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