研究課題
ピンホールコリメータを応用した微小転移リンパ節分子イメージングシステムの開発を目的に、(1)腫瘍と炎症モデルをラットを用いて作成し、組織切片を作成した。(2)これと対比させて、同じ面積サイズのモデルを樹脂で作成した。内部を2、3、4、5mmの等間隔で区画したモデルを4種類作成した。区画の中心を少量の99m-Tc標識放射性医薬品(500Bq以下)をスポット状に塗布した。この放射性医薬品を塗布した樹脂標本モデルをピンホールコリメータ(ホールサイズ:1、3、5、7mm)で、撮像時間5分で撮像した。また、組織切片標本と比較し描出サイズを評価した。(結果)(1)1、3mmのホールサイズでは画像の描出が出来なかったが、5、7mmのホールサイズでは区画の中心にマークした放射性医薬品を分離して描出することが出来た。小サイズのホールで描出できなかった原因として、放射性医薬品の量が少なく放射能活性が低ことによるS/N比の低下があり、ノイズが大き過ぎたことが考えられた。また、5分の撮像時間では十分なS/N比に必要なガンマ線のカウントが出来なかったことによると考えられた。(2)組織切片との比較では通常の転移リンパ節のサイズである10mmのリンパ節における内部の放射性医薬品の局在(転移巣)の識別は4~5mmが限界であった。(今後の課題)この4~5mmの限界をさらに向上させるためには放射能活性を高める(撮像時間)を長くし、S/N比を向上させる必要があるが、臨床における放射性医薬品の投与量、撮像時間の制約を考慮すると、数学的な画像処理による改善が必要となる。
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