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2008 年度 実績報告書

抗菌成分の浸透拡散性能を指標とする根管内バイオフィルムに対する抗菌戦略の探求

研究課題

研究課題/領域番号 20592223
研究機関新潟大学

研究代表者

竹中 彰治  新潟大学, 医歯学系, 助教 (50313549)

研究分担者 吉羽 邦彦  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30220718)
興地 隆史  新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
キーワードバイオフィルム / 浸透 / 拡散 / 共焦点レーザー顕微鏡
研究概要

バイオフィルム制御に抗菌成分を用いる場合、その浸透性能は物質のチャージ、親水・疎水性のバランス、菌体外マトリックスへの感受性などに影響を受けバイオフィルム深層部への浸透に数十秒から数分要するため、より浸透性のよいものを選択する必要がある。本年は、バイオフィルム深層部への優れた浸透拡散性能を有する物質を探索するため、物質の分子量とチャージの与える影響について検索した。
キャピラリーバイオフィルムリアクター内部に形成させた同一のバイオフィルムに対し、蛍光標識したアニオン性多糖類(Dextran conjugate fluorescein, 3K, 10K, 40K, 70K)および陽イオン性化合物(グルコン酸クロルヘキシジン)をそれぞれ送り込み、中心部に到達するまでの時間あるいは中心部の細菌が死菌と判断されるまでの時間を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察し、MetaMorph softwareを用いて計測した。バイオフィルム中心部に到達するまでの時間は、バイオフィルム内外部の蛍光量の比が平衡状態となった時間の90%に達するまでの時間(T90)を算出した。
アニオン性の分子量3000以下の高分子化合物は、直径150μmのバイオフィルムの中心部におよそ12秒以内に浸透した。一方、CHXは直径75-111μmの人工バイオフィルムにおいてCaiceinの流出により殺菌されたと判断された時間は、約7分であった。CHXの分子量は約897であり、アニオン性化合物の浸透時間(12秒)より著しく延長された。これらのことから、バイオフィルムへの浸透は分子量より物質のもつチャージに大きく影響を受けると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Diffusion of Macromolecules in Model Oral Biofilms2009

    • 著者名/発表者名
      S. Takenaka, et al.
    • 雑誌名

      Applied and Environmental Microbiology 75

      ページ: 1750-1753

    • 査読あり
  • [学会発表] Advantages of using two-photon laser scanning microscopy for biofilm imaging.2008

    • 著者名/発表者名
      Takenaka S, Pitts B, Wakamatsu R, Okiji T
    • 学会等名
      56th Annual meeting meeting of JADR
    • 発表場所
      Nagoya
    • 年月日
      20081129-20081130
  • [学会発表] 人工バイオフィルムを用いた物質の浸透・拡散動態の解析 -口腔内バイオフィルム制御の基礎的検討-2008

    • 著者名/発表者名
      竹中彰治, 興地隆史
    • 学会等名
      第21回日本歯科医学総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20081114-20081116

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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