研究課題
フッ素の抗う蝕作用の定量的関連の解明には、ミクロとマクロ両領域における歯質内でのフッ素の動態を把握する必要があり、歯質内のフッ素定量測定法を新たに開発することにより、同一系列のデータが収集されることで、より有用な効率のよいフッ素の利用の実践へと結びつけていくことができる。独立行政法人日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所(TIARA)のマイクロビームのPIGEを用いて、歯質内のミクロ領域のフッ素を測定する方法の開発を新たに試みてきた。この測定法を用いて、フッ素浸透に影響を与えると考えられる要因を変化させてミクロ領域でのフッ素分布を検討してきたが、TIARAと同じ測定法のマクロ領域の測定法が望まれ、マクロ領域の測定法確立のため、財団法人若狭湾エネルギー研究センターのマイクロビームを用いて、マクロ領域のフッ素定量測定法の確立を試みた。マクロ領域の歯質内のフッ素の定量測定法はほぼ確立され、歯質内のフッ素の動態を把握する基礎データが収集できた。フッ素浸透に影響を与える要因として、フッ素含有量の差、歯の構造、時間、臨床手技などが考えられるが、それらの条件を負荷した試料の測定を行ない、さらにう蝕負荷をかけた場合のフッ素の動態のデータ収集を始めている。併せてTIARAでのミクロ領域の測定も継続し、若狭でのマクロ領域での測定と併せて、これら基礎的で体系的なデータを収集し解析を始めている。
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Nuclear Instruments &Methords in Physics Research, Section B (In press)
INTERNATIONAL JOURNAL OF PIXE (In press)
JAEA Takasaki Annual Report 2007 JAEA-Review 2008-055
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