研究課題
フッ素の抗う蝕作用の定量的関連の解明には、ミクロとマクロ両領域における歯質内でのフッ素の動態を把握する必要があり、そのためには比較対照できる同一系列のデータを収集できる歯質内のフッ素定量測定法を新たに開発することにより、より有用な効率のよいフッ素の利用の実践へと結びつけていくことができる。独立行政法人日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所(TIARA)のマイクロビームのPIGEを用いて、歯質内のミクロ領域のフッ素を測定する方法の開発を新たにし、さらにそれを元にして、財団法人若狭湾エネルギー研究センターのマイクロビームを用いて、マクロ領域のフッ素定量測定法の開発を試み、ほぼ確立したが、更なる改良を重ね、効率よくデータの収集を行うことができるようになった。フッ素浸透に影響を与える要因として、フッ素含有量の差、歯の構造、時間、臨床手技などが考えられるが、それらの条件を負荷した試料の測定を行ない、さらにう蝕負荷の条件も変化させ、種々のう蝕の場合でのフッ素の動態のデータ収集を行った。TIARAで得られたデータとともに、フッ素とう蝕との関係を定量的に解明しようと試みている。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, section B 267
ページ: 2136-2139
International Journal of PIXE 19
ページ: 91-102
日本歯科保存学会誌 52(5)
ページ: 384-391