研究課題/領域番号 |
20592225
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山路 公造 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30374531)
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研究分担者 |
西谷 佳浩 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60325123)
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10201071)
小田島 朝臣 北海道大学, 歯学研究科, 助教 (80344521)
川浪 雅光 北海道大学, 歯学研究科, 教授 (10133761)
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キーワード | 増殖因子 / 超音波療法 / 象牙質再生 / 骨再生 |
研究概要 |
本研究は、増殖因子(BMP)と骨形成を促進し治癒を促すことで臨床応用されている低出カパルス超音波に着目し、象牙質および骨再生に用いることを目的とした。 20年度は実験動物としてラットを使用し、骨再生について検討した。低出カパルス超音波としてBRソニック(伊藤超短波)を用いた,ラットの上顎臼歯口蓋側に歯肉溝切開を加えた後口蓋粘膜を全層剥離した。その後、移植材(BMP+スキャホールド)を口蓋部骨膜下の既存骨面上に移植し、弁を復位し縫合した。観察期間は3週間とし、BMP群(BMP移植のみ)、BMP-BR群(BMP移植+BRソニック照射)、コントロール群(移植なし)に分けて検討した。 その結果、BMP群はコントロール群よりも新生骨形成が増加して認められたが、既存骨と新生骨の境界が認められた。一方、BMP-BR群はBMP群と比べ新生骨が緻密な構造を有し、既存骨と一体化した状態で形成されていた。これは、BMP刺激によって形成された骨が、超音波により生体への為害性を示すことなく、骨形成がさらに促進されたと考えられる。以上から、BMPと超音波療法を組み合わせることにより、骨形成が促進されることが示唆された(第6回日本再生歯科医学会学術大会2008)。 また、BMP移植時の生体侵襲性を軽減することを目的として、口蓋粘膜を剥離せずに注射針を用いてBMPを直接骨面に注入することで骨形成にどのような影響が認められるか検討した。その結果、従来の移植法よりも骨形成量は減少するが、既存骨と連続して新生骨形成が明らかに認められた。以上から本研究で用いたBMP注入による移植方法は、骨形成に有効であることが示唆された(Journal of Oral Tissue Engineering2008)。 21年度からは、実験動物としてラットに加えビーグル犬を用いる予定である。昨年度の研究を継続するとともに、象牙質再生についてもさらに検討を加える予定である。
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